エンゲル薬局

Wien006_1天使のモザイクタイルがシンボルのエンゲル薬局は、シュテファン大聖堂から歩いて約5分のところにあり、Bognergasseに接している。1902年に改築され、この壁画が描かれた。皿を差しのべる天使の手には蛇が絡まっている。どうして蛇なのか?と思って調べてみた。蛇は薬学のシンボルであるらしい。
(2005年6月25日投稿の再掲載)

ウィーンの市電

Wien007ウィーン市内を走る市電。
旧市街を一周する市電に乗り、車窓からの景色を眺めると、リンク(環状道路)沿いのモニュメントが次々に出現する。1番線は時計回り、2番線なら半時計回り。
国会議事堂は民主主義のルーツ・ギリシャ古典様式、ウィーン大学は学問の象徴、文芸復興・ルネサンス様式、ブルク劇場は演劇の発展期であるバロック様式、市庁舎はゴシック様式。建物の様式と精神が見事に一致する。
(2005年6月26日投稿の再掲載)

プラター遊園地 −その2−

Wien005映画「第三の男」で有名になった、プラター公園の大観覧車。回転スピードは秒速75cm、実にゆったりとしたテンポで回転する。車内のインテリアはウッディ感覚あるれる設え。
ここからウィーンの旧市街を眺めれば、町中の建物の高さが見事に整えられていることがよくわかる。そんななか、シュテファン大聖堂が突出し、あたかもアルプスのそびえ立つ秀峰が雲海から突き出たようなイメージだ。
(2005年6月25日投稿の再掲載)

プラター遊園地

Wien004プラター公園内にある遊園地のメリーゴーランド。遊園地ならどこにでもある回転木馬。わざわざウィーンまで来て回転木馬を見に来る人なんていないだろう。でもここの木馬はふつうではない。
プラター公園のメリーゴーランドは「木馬」ならぬ本物の「馬」が回転する。生きた馬が整然と並び円を描き回転する様子は壮観だ。各馬に子供を乗せ、準備完了すると、馬に鞭が入り、機械のように徐々に加速していく。4〜5分フル回転したら、また鞭が入り徐々に減速していく。夢中で見ているとあっという間に終わる。もう一度見たくなる。
(2005年6月25日投稿の再掲載)

プラター公園

Wien003ドナウ川とドナウ運河に挟まれたプラター公園。このプラター公園へ行くには、Uバーン(地下鉄)の1号線でプラターシュテルン駅で降りるのが便利だ。また、地上には市電の駅があり、N号線と21号線が通っている。
このあたりまで来ると、さすがに観光客はほとんど見かけない。地元の人たちばかりだ。いまどきプラター公園の大観覧車に乗りにくる観光客はよほど時間のある人に限られる。
(2005年6月23日投稿の再掲載)

ハンス・ホライン -その2-

Wien002ウィーンに行くたびに、このハンス・ホラインの設計したショップの前で立ち止まる。ホラインは、ウィーンのまちなかに多くの傑作を残している。大きな建物ばかりでなく、小さな店舗も数多く手がけている。
そんな中の一つ、コールマルクトにあるこの店は、普段気がつかず見過ごすほど、周囲の建物と調和している。奇抜で個性的なデザインだが、人の心を引きつける。一時的な流行で出来たものとは思えない。おそらく古くなっても色あせないだろう。いや、常に時代をリードしてきたホラインの作品は一過性のものではなく、時代とともにクラシックとなるだろう。
この店にふさわしい...いやこの店を撮影するのにふさわしいシーンは...、いつもそのことを考える。瞬間の光景、時の移りゆく変化の中で、逃してはならないシーン。シャッターチャンスは無限だ。でもシャッターを切らなければ記録されない。
(2005年6月22日投稿の再掲載)

ハンス・ホライン

Wien001オーストリア・ウィーンの建築家、ハンス・ホライン。
シュテファン・プラッツに建つ彼の設計したファッションビル 、”HAAS HAUS”はシュテファン大聖堂と真っ向から対立した建物だ。このポスト・モダンの建築は、ロマネスク・ゴシック様式の堂々たる寺院を前にして、きわめて刺激的で挑戦的なデザインである。
しかし...、両者は全く性格が異なるが、不思議にも調和している。一般に、伝統建築と現代建築は相容れないものがあり、深い溝ができ、景観的にはなかなか溶け込まないことが多いが..
(2005年6月21日投稿の再掲載)

Canon Powershot G7

R0012774最近のデジカメは、発売と同時にメーカーが十分な供給量を確保している。大半の新製品は、発売直後でも大半が予約なしで買える。かつてフィルムカメラの時代は、発売直後はなかなか手に入らなかった。デジカメは、日進月歩で寿命が短く、おそらく最も売れる時期は発売直後の1〜2ヶ月で、4〜5ヶ月後には売り上げが鈍りだし、下降線をたどるものが多い。だから、メーカーも発売直後から在庫を切らさないように十分な供給量を確保しているのだろう。

ところがそんななかで、近年めずらしく発売直後から品薄状態のデジカメがある。キャノンのPowerShotG7だ。どこの店でも在庫がなく、大手量販店でも現在2〜3週間待ちの状態である。店頭で聞けばかなりの人気商品だと言う。

このカメラは、最近のデジタル一眼レフラッシュの影に隠れて、雑誌などでも、まだあまり紹介されていない。でも店頭ではデモ機に注目している人が多い。このカメラに関心を持つ人は、おそらくフィルムカメラ時代からの写真愛好家だろう。現在主流のコンパクトデジカメとは姿形がかなり異なる。最近のコンパクトデジカメは大半が大幅にスリム化され、重量も100g台で大変軽い。もう、限界まで小さくなったという感じだ。これ以上縮小されると、持ちにくく、撮影が一層困難になる。レンズは屈曲型も開発され、ズームでも伸び縮みしないものもある。

久々にカメラらしい雰囲気を持ったモデルだと思わせるのがこのG7。どちらかといえば「ふつう」のカメラという感じだ。他のコンパクトデジカメがフィルムカメラの面影から相当離れていったので、かえって今ではG7のような「ふつう」のデザインは新鮮だ。正面から眺めてもまとまっている。上面には左右にクリック感触のよいダイヤルが2つ並んでいる。大半のカメラが省略してしまった光学ファインダーも健在だ。ブラックフェイスのボディは金属のしっかりした大変つくりのよい質感を持っている。カメラを構えたときの安定感がなにより優れている。カメラの底面を見ると、made in Japanと書いてあった。以前はあたりまえであったが、最近は本当にジャパン製が少なくなった。

重量は、300g以上あり、十分な手応えがある。重すぎず軽すぎずといったところか。このカメラは、ボディの左右にストラップをつけて首からぶら下げるようにできている。シャッターボタンの感触もよい。カメラはシャッターを押したときの気持ちよさが大切だ。

最近のデジカメはどのメーカーもそこそこの写りのよい画質を持っている。写りの悪いモデルを探す方が大変だ。きれいに写るという面では、どれも水準以上をクリアーしている。だから、G7の写りがよいといっても、他のモデルもそれなりによくできているので、突出した長所にはならない。でも、肝心の写す道具としてのカメラの形状や質感、レバーやダイヤルの操作性などは、大差があり、そういったユーザーインターフェースの部分では、断然このモデルが光っている。このあたりは実際に手に取り、使ってみないとわからない部分だ。

今回新たにボディ上面に配置された感度(ISO)設定ダイヤルは、他に例を見ない独自のものだ。デジカメはフィルムカメラと違って、感度を自由に変えられるのが特徴であるのに、これまでは、液晶ディスプレイを見ながらの、わずらわしい操作が必要であった。このダイヤルは重宝する。また、液晶ディスプレイ上での、絞り、シャッタースピード、露出補正などの変更どきのビジュアルインターフェースも実にうまくできている。絞り優先時に、ダイヤルを回せば、ディスプレイ上に絞り値のスケールが表示され、これまでカメラ経験の豊富なユーザーとっては、大変わかりやすく気持ちのよい操作ができる。

オートフォーカス性能については、メーカーごとに未だにかなりの能力差があるように思う。オートフォーカスの反応が鈍い機種は、スピードの遅いパソコンを使っているような気分だ。一般にコンパクトデジカメは、デジタル一眼レフに較べ、フォーカスのレスポンスが遅い。一眼レフはデジタルでも従来のフィルム一眼レフと同様にレンズのとらえた実像からフォーカスを検出する方式でかなり高速なのに対し、コンパクトデジカメはCCDの受光した画像のコントラストを検出するため、どうしても遅くなってしまう。G7は1点測距、AiAF測距、顔認識測距という3つのフォーカス方式を選択できるが、いずれもレスポンスは、まずまずといったところだ。コンパクトデジカメのなかではけっこう速い方の部類に属すると思うが、デジタル一眼レフに較べると反応はやや遅い。瞬間を切り取るスナップ撮影時の速写性という点では、まだまだ鈍い感じだ。このあたりは、現在のコンパクトデジカメの宿命で、今後の課題だろう。ただG7は、合焦すればピントを外すことは現在のところ全くなく、迷うこともない。だから一応信頼性は高いと言える。

コンパクトデジカメをマニュアルフォーカスで撮影する人はあまりいないと思うが、G7の場合、実はけっこうスムーズにマニュアルでフォーカスを合わせることができる。ダイヤルを回せば、液晶ディスプレイ上に拡大画像と距離計が表示される。現在のコンパクトデジカメはCCDサイズが大変小さく(大半のモデルが1/2.5インチサイズで、G7は少し大きな1/1.8インチサイズ)広角側のレンズの焦点距離はG7の場合、7.4mmである。これは35mmフィルムカメラでは超広角レンズに相当する。従って被写界深度(ピントの合う範囲)は大変広く、G7を広角側で使う場合は、大半パンフォーカスで事足りることになる。つまり街角でのスナップショットの場合は、G7をマニュアルフォーカスに切り替え、距離目盛りを3mに固定しておけば、1mから無限大まで常時ピントがあうということだ。オートフォーカスが必要なのは、近接と望遠域で使うときだけだ。デジタル一眼レフの場合は、CCDが大きなAPSサイズなので、そうはいかない。このように考えると、コンパクトデジカメを広角で使う場合は、けっこう速写性があり、スナップショットには最適だと言える。

かつて90年代のはじめにコニカヘキサーが登場した。そのヘキサーは、初めて自分がコンパクトカメラのなかで信頼をおいたカメラだ。以来現在まで未だに現役で、軽量でコンパクトではあるが少し大きなこのカメラは、海外でもずいぶん使ってきた。ヘキサーが発売された頃に、京セラが出したコンパクトカメラはより高級仕様で、ヘキサーよりはるかによく売れたが、自分では最後まで使う気になれず信頼を寄せることができなかった。その理由は、オートフォーカス性能だ。ヘキサーのフォーカス性能はレスポンスも速く実に安定していた。それに較べ京セラのものは安定感がなかった。だからデジタルになっても、オートフォーカス性能はいつも一番重要なものだと思っている。ところがコンパクトデジカメの場合は、広角側ではもはやパンフォーカスになってしまったのだから、ある意味では絶対にフォーカスを外さない最強のスナップショットカメラであるといえる。だから、コンパクトデジカメの場合は、マニュアルフォーカスが即座に設定できるかどうかは、案外大切なことだ。G7は大変便利なマニュアルフォーカス設定機能を持ち、実用的であるが、開発者はおそらくこのあたりの事情を意識して、オートフォーカス精度が相当高いにも関わらず、使いやすいマニュアル設定用ユーザーインターフェースをあえて用意したのではないかと思う。

実は、このG7を待ち歩いているときに、90年代に購入したヘキサーのことをふと思い出した。ボディサイズは全く違うし、レンズも違う。G7はズームに対し、ヘキサーは35mmの単焦点だ。でも、道具として使ったときの自分の気持ちが、G7もヘキサーもなぜか不思議にも似ていた。それはカメラとしての気持ちのよい操作とボディの剛性などからくる信頼感なのかもしれない。G7は広角側が35mmのF2.8で、28mm領域がないのが残念だという人もいるが、自分にとってはG7の電源ONと同時に、いつもデフォルトで35mmレンズであることの方が都合がよく、長年ヘキサーを使い自分には一番慣れた35mmだから、余計にお互い似ており、使いやすいと思ったのかもしれない。それと、首からぶら下げたときの重量感も似ている。ヘキサーとG7は、ともに優れたスナップショットカメラだ。本当は、今はなき旧コニカからヘキサーのデジタル判が発売されるのを密かに期待していたが、ソニーに吸収されて、可能性は相当低くなったので、とりあえずはこのG7を当分のあいだヘキサー後継機にすればよいと思った。
(2006年12月2日投稿の再掲載)

オリンパスE-330/フォーサーズ

Pc1102462006年度のベストデジタル一眼レフは?
独断と偏見に満ちているが、自分では、第一位にオリンパスのE-330を推したい。
デジタル一眼レフでありながら、世界初の液晶モニター上で「ライブビュー」を実現した。
独創性では、随一だ。
ファインダーをのぞかずに、可動式の液晶モニターを見ながら撮影できる。
コンパクトデジカメでは、今や当たり前のこの機能が、デジタル一眼レフでは、これまで出来なかった。実際に使ってみると、その便利さを痛感する。ローアングルからハイアングルまで、様々な撮影スタイルが可能だ。

フォーサーズ撮像素子の写りは、オリンパスE-1のときから気に入っている。諧調表現が豊かで、フィルムカメラのような自然な描写だ。E-1は500万画素で、今では少し物足りないのではないかと思われるが、まだまだ現役で十分通用する写りだと思う。それどころか、最近の各メーカーの1000万画素の画像を見ると、かえって500万画素E-1の自然な写りは、貴重に思えてくる。500万画素より1000万画素の方が写りがよいとは限らないし、画素数以上にどれだけ広いダイナミックレンジを持ち、諧調性に優れるかといった点の方が重要だ。

フォーサーズは結局のところ、豊かな諧調表現にその特徴があるような気がする。よく雑誌などで、各機種の比較テストが掲載されている。所詮印刷物で小さな画像を較べても、その違いがわかるわけでもなく、いきおい評価記事を読むことになるが、微細にとらえすぎていたり、小手先の性能ばかりが先走り、画質そのものの決定的な評価になっていないものが多い。こういった写りに関しては、実際に自分が撮影して評価しないと、なかなかわからないものだ。

フォーサーズの評価もいまのところまだまだ未知数であるというのが本当だろう。ただ、自分のフォーサーズに対する印象を述べるなら(今のところE-1およびE-330の写りしかわからないが)、これら2機種の特徴は、豊かな諧調表現にあると思われる。

解像度の高い、いわゆるシャープネスの高い画像は、コンパクトデジカメを使えばいくらでも手に入れることができる。でも、諧調表現は、画素数を上げても、撮像素子が小さければ限界がある。一般に撮像素子が大きくなれば、1画素あたりの受光面積は広がりダイナミックレンジは広くなる。これはフィルムの場合でもそうだ。35mmとブローニーを較べると、ブローニーの方が諧調豊かである。いわゆる空気感が表現されるもいえる。さらに4×5になると、気配までも感じられる。単純に解像度があがったというよりも、被写体の存在感が高まるということだ。そういった意味で大きな撮像素子は、受光面積が広がり、豊かな表現能力が得られる。

従って、コンパクトデジカメでAPSサイズの一眼レフと同等の写りを期待しても、原理的に無理があるし、たとえ同一画素数であっても、写りのレベルは異なる。でも、フォーサーズとAPSであれば、CCDの開発コンセプト次第では優劣つけ難いということも十分期待できる。

フォーサーズは、現在主流のAPSサイズよりも一回り小さい。でも、コンパクトデジカメの1/1.8サイズや1/2.5サイズよりもはるかに大きい。撮像素子が小さいほどレンズも小さくできる。しかも軽量小型で明るいレンズを作ることができる。CCDサイズとレンズのボリュームとの関係から、最適なカメラサイズが決定されるが、そういった意味では、APSサイズよりも小型で、それと同等以上のダイナミックレンジが確保できれば、システムとしては、より魅力的で可能性のあるものが生まれる。フォーサーズはそのあたりを見越して開発されたと思われる。今後が楽しみだ。その評価はまだまだ先を見ないとわからないと思う。
Data: Olympus E-330  ZD14-54mm F2.8−3.5 14mm(28mm)・1/640・F3.5・ISO100・露出補正0.0EV
(2006年12月10日投稿の再掲載)

ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

<a Pc110372_1オリンパスのフォーサーズマウントレンズのなかで、ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5は、E-1と同時に最初に発売された標準ズームレンズ。すでに3年ほど使っているが、実用性の高い優れたレンズだと思う。このレンズに出会ったからから、フォーサーズマウントを使い続けているともいえる。

一般に、ズームレンズは、歪曲収差が大きく、特に広角側では、樽型の強いくせが出て、建築写真などでは実用にならないものが多い。まっすぐな柱が曲がって写ると、それだけで評価は下がってしまう。現行の各メーカーの標準ズームレンズは、未だに広角側でかなりの歪曲収差が目立つものが多い。

ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5は歪曲収差がかなり押さえられており、これだけで実用価値が高まる。また、周辺光量が劣化せず、画面の隅々まで画質がよい。昔からズームレンズはあまり好みではなかったが、その理由は、直線がまっすぐ写らず歪んでしまうからだ。また、大半のズームレンズは、F値が暗く、しかも大きく変化する。常々、レンズは2.8から3.5程度の明るさがほしいと思っているが、ZUIKO DIGITALのこの標準ズームは、歪曲収差が目立たない上、ズーム全域で2.8から3.5までの明るさを維持しているから一層利用価値が高まる。しかも、常用できるサイズにまとめられている。このあたりはフォーサーズマウントのメリットが十分感じられる。

3年以上経過し、フォーサーズマウントのレンズもずいぶん揃ってきた。どれも妥協のない優れたレンズばかり。最近、パナソニックからライカブランドの標準ズームレンズも発売された。今年発売予定のズミルックス25mmF1.4を含め、今後の展開が楽しみだ。
Data: Olympus E-330  ZD14-54mm F2.8−3.5  41mm(82mm)・1/400・F3,5・ISO100・露出補正0.0EV
(2006年12月11日投稿の再掲載)