オリンパスE-330/フォーサーズ

Pc1102462006年度のベストデジタル一眼レフは?
独断と偏見に満ちているが、自分では、第一位にオリンパスのE-330を推したい。
デジタル一眼レフでありながら、世界初の液晶モニター上で「ライブビュー」を実現した。
独創性では、随一だ。
ファインダーをのぞかずに、可動式の液晶モニターを見ながら撮影できる。
コンパクトデジカメでは、今や当たり前のこの機能が、デジタル一眼レフでは、これまで出来なかった。実際に使ってみると、その便利さを痛感する。ローアングルからハイアングルまで、様々な撮影スタイルが可能だ。

フォーサーズ撮像素子の写りは、オリンパスE-1のときから気に入っている。諧調表現が豊かで、フィルムカメラのような自然な描写だ。E-1は500万画素で、今では少し物足りないのではないかと思われるが、まだまだ現役で十分通用する写りだと思う。それどころか、最近の各メーカーの1000万画素の画像を見ると、かえって500万画素E-1の自然な写りは、貴重に思えてくる。500万画素より1000万画素の方が写りがよいとは限らないし、画素数以上にどれだけ広いダイナミックレンジを持ち、諧調性に優れるかといった点の方が重要だ。

フォーサーズは結局のところ、豊かな諧調表現にその特徴があるような気がする。よく雑誌などで、各機種の比較テストが掲載されている。所詮印刷物で小さな画像を較べても、その違いがわかるわけでもなく、いきおい評価記事を読むことになるが、微細にとらえすぎていたり、小手先の性能ばかりが先走り、画質そのものの決定的な評価になっていないものが多い。こういった写りに関しては、実際に自分が撮影して評価しないと、なかなかわからないものだ。

フォーサーズの評価もいまのところまだまだ未知数であるというのが本当だろう。ただ、自分のフォーサーズに対する印象を述べるなら(今のところE-1およびE-330の写りしかわからないが)、これら2機種の特徴は、豊かな諧調表現にあると思われる。

解像度の高い、いわゆるシャープネスの高い画像は、コンパクトデジカメを使えばいくらでも手に入れることができる。でも、諧調表現は、画素数を上げても、撮像素子が小さければ限界がある。一般に撮像素子が大きくなれば、1画素あたりの受光面積は広がりダイナミックレンジは広くなる。これはフィルムの場合でもそうだ。35mmとブローニーを較べると、ブローニーの方が諧調豊かである。いわゆる空気感が表現されるもいえる。さらに4×5になると、気配までも感じられる。単純に解像度があがったというよりも、被写体の存在感が高まるということだ。そういった意味で大きな撮像素子は、受光面積が広がり、豊かな表現能力が得られる。

従って、コンパクトデジカメでAPSサイズの一眼レフと同等の写りを期待しても、原理的に無理があるし、たとえ同一画素数であっても、写りのレベルは異なる。でも、フォーサーズとAPSであれば、CCDの開発コンセプト次第では優劣つけ難いということも十分期待できる。

フォーサーズは、現在主流のAPSサイズよりも一回り小さい。でも、コンパクトデジカメの1/1.8サイズや1/2.5サイズよりもはるかに大きい。撮像素子が小さいほどレンズも小さくできる。しかも軽量小型で明るいレンズを作ることができる。CCDサイズとレンズのボリュームとの関係から、最適なカメラサイズが決定されるが、そういった意味では、APSサイズよりも小型で、それと同等以上のダイナミックレンジが確保できれば、システムとしては、より魅力的で可能性のあるものが生まれる。フォーサーズはそのあたりを見越して開発されたと思われる。今後が楽しみだ。その評価はまだまだ先を見ないとわからないと思う。
Data: Olympus E-330  ZD14-54mm F2.8−3.5 14mm(28mm)・1/640・F3.5・ISO100・露出補正0.0EV
(2006年12月10日投稿の再掲載)

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