ウィーンに行くたびに、このハンス・ホラインの設計したショップの前で立ち止まる。ホラインは、ウィーンのまちなかに多くの傑作を残している。大きな建物ばかりでなく、小さな店舗も数多く手がけている。
そんな中の一つ、コールマルクトにあるこの店は、普段気がつかず見過ごすほど、周囲の建物と調和している。奇抜で個性的なデザインだが、人の心を引きつける。一時的な流行で出来たものとは思えない。おそらく古くなっても色あせないだろう。いや、常に時代をリードしてきたホラインの作品は一過性のものではなく、時代とともにクラシックとなるだろう。
この店にふさわしい...いやこの店を撮影するのにふさわしいシーンは...、いつもそのことを考える。瞬間の光景、時の移りゆく変化の中で、逃してはならないシーン。シャッターチャンスは無限だ。でもシャッターを切らなければ記録されない。
(2005年6月22日投稿の再掲載)