第4回 不滅のジャズ名曲-その4- オール・ザ・シングス・ユー・アー(All The Things You Are) 

Django:「マーフィー君、不滅のジャズ名曲の第4回目は、オール・ザ・シングス・ユー・アー(All The Things You Are)です。 この曲は、もともとはジャズの曲ではなく、オスカー・ハマーシュタイン(Oscar Hammerstein Ⅱ)作詞とジュローム・カーン(Jerome Kern)作曲の名コンビによるミュージカルナンバーで、現在に至るまで数多くのジャズプレーヤーが、この曲を採り上げ、いわゆるジャズ・スタンダードとなったものです。」

Murphy:「そうだったのか。ジャズの演奏ではよく聴くけど、オリジナルはあまり聴いたことなかったな。」

D:「パーカーもサヴォイ・セッションで演奏しているよ。ところで、どうしてこの曲、ジャズプレーヤーにこれほど愛されているのか知ってる?」

M:「曲そのものがいいからだろう。このメロディーラインはすばらしいね。」

D:「それもあるけど。実は、この曲のコード展開が魅力なんだよ。順番に4度ずつ移行していく、いわゆる4度進行なんだ。だから、アドリブの展開が大変おもしろい。」

M:「ジャンゴ君はジャズギターをやっているから詳しいね。そのへんは、僕にはよくわからないんだけど、でも聴いていて次々とシーンが変わっていくような感じはあるね。」

D:「この曲、ある有名な曲にコード進行がそっくりなんだけど、わかるかな?」

M:「枯葉じゃないかな。」

D:「そのとおり。枯葉も同じ4度進行なんだ。枯葉は、マイルスが演奏していらい一躍ジャズのスタンダードになったけど、実はオール・ザ・シングス・ユー・アーとよく似ているということ。」

M:「でも、ボクは、枯葉より、オール・ザ・シングス・ユーアーの方が好きだね。ジャンゴ君はどう?」

D:「ボクも同じ。」

  ◇◇◇

「オール・ザ・シングス・ユー・アー」のように、ミュージカルの名曲が、ジャズになった例は実に多い。オスカー・ハマーシュタインとジュローム・カーンのコンビニよる名作は、ジャズ・スタンダードとして、多くのジャズ・プレーヤーに愛されている。ジャズの聴き方として、このような「歌もの」から入っていけば、知らないうちに、いろんなプレーヤーの演奏に接し、プレーヤーごとの違いがおもしろくなってくる。そして自分のジャズの森が広がっていく。ジャズもやはり「」が基本だと思う。大半のジャズプレーヤーは、原曲を歌い、アドリブも楽々と口ずさむ。超絶技巧のアドリブラインでさえ、多くのプレーヤーは歌っている。

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【コンプリート・スタジオ・レコーディングス・オン・サヴォイ・イヤーズ VOL.2】

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