Murphy:「映画スウィング・ガールズの影響がまだ残っていて、ビッグバンドをもう少し聴いてみようと思うんだけど。家にあるグレン・ミラーの古いアルバムは録音も古いし、新しい演奏でなにかおもしろいものってない? せっかくビッグバンドを聴くんだったら最新CDの方が録音もいいからな。」
Django:「録音は古くてもオリジナル演奏はやっぱり価値あるよ。」
M:「それは、わかっっているけど。」
D:「そういえば、昨年ルイス・ナッシュに会ったとき、2004年にグレン・ミラーとかカウント・ベイシーの有名曲を録音したって言ってたね。2004年は、二人の生誕100年目にあたり、それにちなんだアルバムが企画されたって。..確か、湯どうふ定食を食べていたときだ。」
M:「へえー、ルイス・ナッシュって、湯どうふ食べるの?」
D:「彼はベジタリアンで、大の日本食好きだよ。日本に来たときは、湯どうふとか鍋物をよく食べている。「ゆず」とかも知っているしね。」
M:「それで体力が持つの?」
D:「全然問題ないらしいね。その方がヘルシーだし。..ちょっと、話が脱線したので、もとに戻すと、ルイス・ナッシュが参加したそのアルバムは、スーパー・トロンボーン/ムーンライト・セレナーデ〜プレイズ・グレン・ミラー&カウント・ベイシーというタイトルで、普通の編成と違って、なんとトロンボーンが4人。それにピアノとベースとドラムスが加わり7人編成で演奏している。メンバーは、トロンボーンが、ジム・ピュー、コンラッド・ハーウィグ、デイヴ・バージェロン、デイヴ・テイラー(b.tb)。あと、ピアノがビル・メイズ、ベースがチップ・ジャクソン、それにルイス・ナッシュのドラムス。編曲があのデビッド・マシューズ。この顔ぶれをルイス・ナッシュから聞いて、次の日に買ったんだ。」
M:「曲目は?」
D:「Murphyくんの期待している曲が全部入っているよ。グレンミラー作曲した大ヒット曲ムーンライト・セレナーデ(Moonlight Serenade)、イン・ザ・ムード (In The Mood )、茶色の小瓶(Little Brown Jug )など、あと、ベイシーのヒット曲、ワン・オクロック・ジャンプ(One O’clock Jump)、ジャンピング・アット・ザ・ウッドサイド(Jumping At The Woodside)も入っている。小編成で、しかもトロンボーンが4人だから、かなりユニークでおもしろいサウンドだよ。ピアノのイントロに続き、スローテンポでトロンボーンがムーンライト・セレナーデのメロディを奏でるあたりはなかなかいいね。」
M:「サウンドはどんな感じ?」
D:「どの曲も、暖かみのある柔らかいトロンボーンのサウンドに対し、ルイスナッシュのドラムスがそれらを引き締め、素晴らしいコントラストを成している。編曲が秀逸だね。」
◇◇◇
Super Trombone:ムーンライト・セレナーデ~プレイズ・グレン・ミラー&カウント・ベイシー
【パーソネル】
ジム・ピュー(tb) コンラッド・ハーウィグ(tb) デイヴ・バージェロン(tb) デイヴ・テイラー(b.tb) ビル・メイズ(p) チップ・ジャクソン(b) ルイス・ナッシュ(ds) 2004
