Django:「リカード・ボサノバ(Recado Bossa Nova)といえば、バーニー・ケッセルがOn Fire(エメラルド盤)で録音した演奏が有名だけど、新人ギタリストの最新アルバムで久々にこの曲を聴いた。1975年NY生まれのギタリスト、アンディ・ブラウン(Andy Brown)のデビューアルバムで、タイトル名はTrio And Solo。
アンディのギターは、バーニー・ケッセルに勝るとも劣らぬ抜群のスイング感で、最後まで一気に聴き通せるほどの魅力的な演奏だ。奇をてらわず、まさに正統派のジャズギター。歌心溢れ、スインギーで、心地よいジャズに浸ることが出来る。」
Murphy:「正当派ジャズ・ギターといえば、ジョー・パスなんかにも似ているの?」
D:「その通り。このアルバムは、15曲中8曲がトリオで7曲がソロ。特にソロはジョーパスの奏法を継承している。曲によってケニー・バレルのブルージーな演奏も彷彿させるし、ジャズギターの遺産をしっかり受け継いだギタリストだね。」
M:「現在はNYで活躍しているの?」
D:「2003年からシカゴに移住しているらしい。シカゴの地元で特に人気のあるギタリストのようで、いくつかのライブハウスで演奏活動を行っている。地元のジャズ誌Chicago Jazz Magazineも次のように絶賛している。
“Andy Brown is fast becoming one of Chicago’s hottest guitarists…his playing is intelligent, sensitive and thoughtful; wonderfully clean and uncluttered…he swings so hard and sweet!”
-Chicago Jazz Magazine
M:「このアルバムの発売元は?」
D:「String Damper Records(SDR2132)からリリースされており、現在のところ国内盤の発売は未定で輸入盤でしか入手できないようだ。このアルバム、トリオとソロの両方楽しめるところがいいし、ソロは秋の夜長にぴったり。ジャズ入門の方にも全く抵抗なく聴ける心地よい演奏だ。」