
LEAK STEREO 30がやってきた。英国の60年代プリメインアンプ。相当古い。真空管からトランジスタに移り変わる時代のアンプ。このアンプのトランジスタはゲルマニウム。その後トランジスタはシリコンに置き換わるが、60年代の中頃までは一部のアンプにゲルマニウム・トランジスタが用いられていた。
ゲルマニウム・トランジスタ。どんな音がするのだろう。シリコンとは音が違うらしい。JBLのアンプもゲルマニウムだった。それにしても60年代の前期のアンプであるLEAK STEREO 30が今でもよく残っていたものだ。しかも整備済みで、ちゃんと音が出るのだから。古いアンプは購入先を選ばないと、状態の悪いアンプに当たってしまう。
到着して直ぐに音を鳴らしてみた。つないで直ぐに聴いた音が、予想以上に良かった。すぐにこれはアタリ!だと思った。こういった古いアンプは、めったに聴く機会がないので、購入するときはかなり下調べをしなけれがならない。でもネット上でも情報が少ない。ユーザーレビューもほとんどない。だから、勝手に想像するしかない。アンプの姿形から出てくる音を想像する。同じ英国のアンプだからQUADと較べてどうだろう。日本ではQUADの方がはるかに有名だ。でも英国では60年代LEAKは一世風靡したらしい。QUADよりもよく売れたのではないかと思う。
さて、その音であるが、今の時代のアンプとはかなり違う。中域が充実している。素直で柔らかい音だ。でも、それ以上に何か生き生きしたものを感じる。単に柔らかいだけでなく、一皮むけたようなリアリティさを持ち合わせている。音が生きている。マイルドだけれどリアリティがある。キンキン、ギスギスしておらず、聴きやすい。Jensenの2ウェイスピーカー(JENSEN MODEL 2)に接続したが、これがアタリだった。このスピーカーとの相性が大変良い。
次にManresa Cに換えてみた。ガラッと音が変わる。あまり相性は良くないみたいだ。特にクラシックの弦楽器がだめだ。オーケストラは無理か。ジャズはまだしも、クラシックはほとんどこの組み合わせではむずかしい。もとのJensenに代えてみた。ああ、やっぱりこのスピーカーとの組み合わせのほうがいい。これまで決め手に欠けたJensenのスピーカーがこんなに良くなるなんて。正直驚いた。アンプとスピーカーは相性が大切だ。