Django:「Murphyくん、ウクレレの調子はどう?」
Murphy:「毎日弾いてるよ。最近ね、Djangoくんに刺激されて、ウクレレでジャズをやりたくなったんだ。」
D:「それは、いいね。」
M:「Djangoくんも知ってると思うけど、ハワイのウクレレ奏者、オオタさん。ウクレレでジャズスタンダードをやっているだろう。ボクも少しジャズを勉強しようと思って、楽器屋で探していたら、偶然オオタさんの輸入楽譜が見つかったんだ。内容はスタンダードジャズ。そのなかでまずどれから始めようかと思って見ていたら、偶然「スターダスト」が目にとまった。よし、これだ、と思って練習しているんだ。」
D:「スターダストは、みんな知っている名曲だからね。いいね。それ、マスターしたら聴かせて。」
M:「うん。ところで、この曲、誰の作曲だった? 」
D:「ホーギー・カーマイケルだよ。確か1920年代の作曲だったと思うけど。」
M:「そうか。古い曲なんだね。この楽譜にはアドリブが載ってないんだ。どうしようDjango君、教えてくれる?」
D:「当たり前だろ。アドリブなんて楽譜には出てないよ。自分で考えるものだよ。」
M:「そういわずにヒントを教えて?」
D:「ヒントなんかないよ。まず、いろんな人の演奏を聴くことだね。ところで、Murphyくん、この曲、楽器でなくて、歌で聴いたことある?」
M:「ないね。楽器の演奏はけっこう聴いているんだけど。」
D:「そうか。それならまず、ヴォーカルで聴いてみたら? まず歌から入った方がいいよ。」
M:「確かに。でも、この曲有名だから、いろんな人が歌っているだろう。誰がいい?」
D:「スターダストは名曲中の名曲だから、ほとんどのシンガーが吹き込んでいるね。スターダストのオムニバス・アルバムまで出ているぐらいだから。1人だけあげるのは難しいよ。そうだなあ、若い人がいい? それともベテラン?」
M:「両方とも。昔の古いものも、新しい録音のものも聴きたいね。」
D:「それなら、まず古い録音の方から選ぼう。やはり、エラ・フィッツジェラルドだね。彼女が1954年に吹き込んだアルバムで、「ソングス・イン・ア・メロウ・ムード」というアルバム。伴奏はエリス・ラーキンス という人のピアノ。この人は本当に歌の伴奏がうまいんだ。本当は、ヴォーカルものは、こういったピアノ1台だけのシンプルな伴奏が一番いいよ。」
M:「有名なアルバムなの?」
D:「昔から、このアルバム、エラの数ある録音のなかでも、決定版の一つだといわれている。全曲バラードで、しっとりと落ち着いたアルバムだね。このなかに入っている「スター・ダスト」、これは、ボクがこれまで聴いた「スターダスト」のなかで、最も印象に残っている演奏だね。このアルバムから、エラ・フィッツジェラルドを聴いていけばいいと思うよ。」
M:「わかった。それで、あと、最近の若い人の録音では?」
D:「これに匹敵するものは、なかなかないんだけど...。そうだな。こちらの方も、シンプルなピアノ1台だけの伴奏の方がいいし。歌い手もそうだけど、こういった歌伴ができるピアニストは、ベテランの本当に味のある人でないとなあ。テクニックをひけらかす人はだめだし。相手に寄り添って、本当に歌いやすく弾いてあげられる人でないとね。あのハンク・ジョーンズあたりが伴奏すれば最高なんだけど...、ちょっと、待てよ。.....ん...出てこないなあ。じゃあ、次回までに考えておくから。」
◇◇◇
エラの歌が円熟し絶頂期にさしかかった頃の名盤。全曲スタンダード・ナンバーのバラードでまとめられている。エリス・ラーキンスのピアノオンリーの伴奏が、一段とエラの素晴らしい歌唱力を引き立てている。1954年録音。Daccaレーベル。
投稿者: ジャンゴとポルカのBlog
第17回 不滅のジャズ名曲-その17- 明るい表通りで(On the Sunny Side of the Street)
Murphy:「前回の「エラ&ルイ」のアルバム、とても気に入っているよ。」
Django:「それはよかった。たぶんハワイ好きのMurphyくんの好みだと思っていたんだ。」
M:「ところで、ジャズ・ヴォーカルの分野で、最近の若い人はどうなの? 女性シンガーの新人で誰かおすすめの人いる?」
D:「そうだなあ。今注目の若手新人の一人に、イタリア出身のロバータ・ガンバリーニという女性がいるよ。」
M:「なに、ガンバリーニ? おもしろい名前だね。」
D:「ガンバリーニっていうだけあって、ステージでとてもガンバルんだ。」
M:「本当? Djangoくん、ライブで聴いたことあるの?」
D:「うん。昨年(2006年秋)の富士通コンコード・ジャズ・フェスティバルで来日したんだ。そのライブを聴いて、相当な実力の持ち主だと思ったね。」
M:「どんな感じ?」
D:「原曲の持ち味をくずさずに、心を込めて歌う人だね。それと、的確な音程で、楽器の物真似ができるんだ。トランペットとかの。」
M:「へえー、おもしろそうだね。本当にトランペットのような音がするの?」
D:「かなり忠実だよ。たぶんMurphyくんが聴いたら驚くだろうな。」
M:「トランペットのように歌って、アドリブをするってこと?」
D:「そう。お得意の曲が、 「明るい表通りで(On the Sunny Side of the Street)」という明るくて楽しい曲、Murphyくん、知ってる?」
M:「知ってるよ。この曲を聴くと元気が出るんだから。スイング時代からよく演奏されていた曲だね。確か、ディジー・ガレスピーもアルバム出してなかった?」
D:「Murphyくん、よく知ってるね。楽しい曲は得意だもんな。その通り。ディジーもアルバム出してたね。「Sonny Side Up」というタイトルで。これ、ディジー・ガレスピーに、ソニー・スティットとソニーロリンズが加わり、二人の「ソニー」から、シャレで、「Sunny」を「Sony」にしたんだ。」
M:「Djangoくん、ボク、このアルバム大好きなんだ。ガレスピーが陽気に歌っているしね。」
D:「そう。実はね。Murphyくん、この間のライブで、ガンバリーニが、このアルバムに入っている3人のフレーズをそのまま引用して歌っていたんだよ。驚いたね! 確か、どこかで聴いたフレーズだと思って、家に帰って、ひょっとしてディジーのアルバムではないかと思い、CDをかけてみたら、そのものズバリだった。」
M:「へえー。それはぜひ聴いてみたいね。」
D:「この曲の入った、ガンバリーニのアルバムが出ているよ。「Easy To Love」というタイトル。ボクもこのアルバム、ライブに行くまでは知らなかったんだけど、2日目に会場で買ったんだ。スイング・ジャーナルのディスク大賞にも選ばれている。」
M:「Djangoくん、サインしてもらった?」
D:「もちろん。飾らずフランクで親しみやすそうな人だった。"明るい表情で”「ガンバリまーす!」って言ってたね。」
◇◇◇
ロバータ・ガンバリーニ(Roberta Gambarini)の「Easy To love」は、 グラミー賞にもノミネートされた。2004年6月録音。
ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)の「Sonny Side Up」は、ノーマン・グランツのプロデュースでVerveからリリースされている。ディジーのヴォーカルも加わり、楽しさ満点。迫力満点。1957年12月録音。
第16回 不滅のジャズ名曲-その16- 霧深き日(A Foggy Day)
Django:「Murphyくん、今回もガーシュインの曲を選びました。曲名は、「霧深き日(A Foggy Day)」。霧の日。とも訳されているけど、一般的には、日本でも「ア・フォギー・デイ」とそのまま英語名で呼ばれている。」
Murphy:「ガーシュインは、たくさんの曲を作曲したんだね。今回もヴォーカルのなかから選んでくれるかな。以前はあまりヴォーカルものは聴いてなかったんだけど。このあいだから、ちょっと聴きだしたら、興味がわいてきたなあ。ジャズの歌、って、大人の雰囲気がするよ。ビールやワインにも合うし、CDをかければ、部屋の雰囲気が変わるね。余裕があるっていうか。くつろげるし。お子様ランチのような曲やミュージシャンはもう飽きたし、その点、ジャズはいいね。特にヴォーカルは。」
D:「そうだろう。ジャズを聴けば確実にセンスがよくなるね。昔からデザイナーなんかは好きな人が多い。ジャズを聴いていると余裕がうまれるんだ。ジャズは100年の蓄積のなかで演奏されているんだもの。それは深いよ。でも、一般にジャズを聴いている人って、あまりヴォーカルものを聴かない人が多いようだね。反対にヴォーカルが好きな人は、あまり楽器ものは聴かなかったりして。でも、ジャズって、もともとブルースから始まっているんだから、歌がやっぱり基本だよ。ヴォーカルを聴けば、これまで以上にジャズが理解できると思うね。それと生活のなかにジャズが溶け込んでいくんだ。」
M:「その通り! ボクもそう思うね。」
D:「アメリカでは、そこら中のホテルのバーラウンジでジャズが演奏されているし、グランドピアノが一台だけのラウンジでも、リクエストをとりながら、弾き語りやピアノソロをやっているよ。そこで、ソルティ・ドッグを飲みながら聴いていると、これが驚くほどうまい。」
M:「え?、ソルティ・ドッグが?」
D:「違うよ、もちろん演奏だよ。無名の人がこれだけうまいんだからすごいね。いや、うまいだけでなく、本当に楽しんでいるよ。毎晩ラウンジでピアノを演奏するのがうれしくて仕方がないような表情だね。それと、もうひとつ、お客さんとのコミュニケーション。さりげなく、ユーモアを交えながら、お客さんとの会話を楽しむ。でも、決して出しゃばらない。そこのセンスは絶妙だね。こんな日常の光景が、ジャズの底辺を支え、生活に根づかせているんだと思う。その生活文化こそがジャズなんだ。もちろん、ストリート・ミュージシャンもそうだしね。」
M:「確かにそうだね。Djangoくん、いいこと言うね。でも、どうして、そこでソルティ・ドッグなの?」
D:「ただ好きなだけ。以上、説明なし。」
M:「ところで、今回のおすすめの歌手とアルバムは?」
D:「エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロング」
M:「ついに出ましたね。そろそろ出てくるのでは、と思っていたんだ。そうすると2枚のアルバムってこと?」
D:「と、思うだろう? これが1枚で聴けるんだ。つまり、デュエット。アルバムタイトルは、ズバリ、「エラ・アンド・ルイ」」
M:「へえー、二人のヴォーカルが一枚で聴けるって最高だね。」
D:「そう。このアルバム、すべてのジャズアルバムのなかでも、ボクの最も好きなアルバムの一つ。伴奏がまた素晴らしいよ。ピアノがオスカー・ピーターソン、ギターがハーブ・エリス、ベースがご存知レイ・ブラウン、ドラムスがバディー・リッチ。エラとサッチモのデュエットのサポート役としては最高のメンバーだね。「ア・フォギー・デイ」以外にも、「ヴァーモントの月」、「4月のパリ」、「アラバマに星落ちて」など、名曲ぞろい。さすが、ヴァーヴのノーマン・グランツ。こういった、楽しくて、リラックスして、アットホームで、ユーモアがあり、しかも正統的で、思いっきりスイングして、いつでも聴けて、いつまでも飽きない、素晴らしいアルバムがつくれる、ジャズとは何かを知り尽くした名プロデューサーだね。以上、決定的名盤です。」
◇◇◇
「エラ&ルイ」は、1956年の録音。他に同メンバーによる2枚目のアルバム「エラ&ルイ・アゲイン」も1957年にレコーディングされている。これら2枚に加え、別テイク、さらにオーケストラバージョンも含めたコンプリートアルバムは米国ポリグラムから1997年に発売された。なお、レコーディング状態は50年代当時の最高水準といえるレベルであることから、復刻LPレコードも数度にわたり発売された。
第15回 不滅のジャズ名曲-その15- サマータイム(Summertime)
Django:「Murphyくん、今回はだれもが知っている名曲、サマータイム(Summertime)を選びました。」
Murphy:「サマータイムね。みんな知っているよ。」
D:「そうだろうな。誰の作曲かわかる?」
M:「さあ、作曲家までは知らないけど。かなり古い曲のようだね。作曲者はジャズ・ミュージシャン?」
D:「いや違う。これはクラシック好きの人でもよく知っている作曲家だよ。」
M:「本格的な作曲家かな。でもアメリカ人でしょう?」
D:「そう。ジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)という人。20世紀前半のアメリカを代表する作曲家だね。おそらく、彼の作品はジャズ・ミュージシャンにとって欠かせないものだろう。サマータイムは、彼の有名なオペラ、「ポーギーとベス」のなかで歌われた曲で、漁師の妻クララが歌う子守歌だよ。」
M:「へえー、子守歌だったの?」
D:「そう。だからスローテンポなんだよ。黒人霊歌の「時には母のない子のように」をヒントに作曲したらしい。」
M:「ボクもこれまでにサマータイムは、いろんな演奏を聴いたと思うけど。改めて聴いてみようか。おすすめは?」
D:「これはやっぱり、歌だから、ジャズヴォーカルのなかから選ぶ方がいいね。ガーシュインは、素晴らしい歌曲をたくさん作曲しているよ。ジャズシンガーにとっては、いろんなジャズのスタンダード曲をマスターし、自分のレパートリーとして増やしていきながら、いずれガーシュインが歌えるようになることが、1つの目標だよ。だから、ガーシュインの名曲集をレコーディングしている歌手は、間違いなく実力派で、一流だね。」
M:「たとえば、誰がいるの?」
D:「名曲集は、ソング・ブックといわれるんだけど、まず、エラ・フィッツジェラルド。それと、クリス・コナー。この二人のソング・ブックは、間違いなく傑作といえる。ガーシュインの歌を、30曲以上歌える人はそう多くはないよ。」
M:「そうか、ソング・ブックか。…で、どちらをすすめる?」
D:「どちらもいいよ。今回は、クリス・コナーにしよう。クリス・コナーの、ソングブックのなかで歌っている、サマータイムは、伴奏がピアノトリオでとてもシンプル。ジャズシンガーの実力が最もあらわれるスタイルだね。アルバムでは、「サマータイム」、「ニューヨーク行きの船が出る」、「愛するポーギー」の3曲がメドレーで歌われている。どれもオペラ「ポーギーとベス」からの曲。このメドレーが実に素晴らしい。」
M:「どういう風に?」
D:「「サマータイム」は、しっとりとスローテンポ。次の「ニューヨーク行きの船が出る」はアップテンポで躍動的にスイングする。そして「愛するポーギー」は再びスローではじまる。3曲目の冒頭は、何度聴いても、心惹かれるね。しかも、あのオスカー・ペティフォードがベースを担当しているし、途中で彼の声が聞けるんだ!。」
M:「そうか? ところで、このアルバムは何曲ぐらい入っているの?」
D:「最新版のCDは、全34曲。2枚組。これはもう決定版ということばがそのままあてはまるね。ガーシュインの歌は、聴けば聴くほど愛着が湧いてくる。やはり、歌ものは、ヴォーカルで聴いてこそ、はじめてそのよさがわかると思うよ。それで、そのうち自分にとっての一生ものという、本当に好きな歌が発見できるんだ。」
◇◇◇
クリス・コナーのガーシュイン・ソングブックは、現在2005年版と2007年版(紙ジャケット仕様[Limited Edition])の2種類のCDが発売されている。そのうち2007年版は、倉庫で発見されたアトランティック・オリジナルマスターからの、初のリマスタリングで音質は格段によくなった。1956年、57年、59年録音。(追加の1曲は61年)
第14回 不滅のジャズ名曲-その14- 4月の思い出(I’ll Remember April)
Django:「Murphyくん、今回はいきなりボクの好きな曲から話をはじめよう。」
Murphy:「Djangoくんの好きな曲か。 ボクも知っている曲かなあ?」
D:「「四月の思い出(I’ll Remember April)」という曲。どう? 知っている?」
M:「さあ、知らないね。聴けばわかるかな?」
D:「おそらく。この曲は、これまで本当に多くのジャズプレーヤーが演奏してきたからね。」
M:「たとえば?」
D:「ビバップの開祖の一人といわれるピアニスト、バド・パウエルが40年代の後半に録音した名盤、バド・パウエルの芸術(THE BUD POWELL TRIO)の1曲目に入れているし、ソニー・クラークもブルーノート・レーベルに吹き込んでいる(Sonny Clark Trio(1957)/Blue Note)。他に、それこそ、もう、ほとんどのジャズ演奏家がこの曲を好んで採り上げているよ。まさにジャズの名曲だね。」
M:「そうか。誰の作曲なの?」
D:「ジーン・デ・ポール&パット・ジョンストン(G.D.Paul & P.Johnston)。もともとは確か映画音楽だったと思うけど。」
M:「テンポは速いの?」
D:「そうだね。どちらかと言えば速いテンポで演奏する人の方が多いかな。でもソニー・クラークなんかはスローテンポだね。」
M:「おすすめの演奏は?」
D:「この曲は名演奏が多いから、1つだけに絞り込むのはむずかしいんだけど...。」
M:「どちらかといえば、聴きやすくて肩のこらない演奏がいいな。」
D:「それなら.....、新しいアルバムから選んでみようか?」
M:「新しいって、最新?」
D:「そう。2007年の2月21日発売の新譜で、スタンダードソングばかり、昨年の秋に何と50曲も一気に録音したピアノトリオがいるんだ。」
M:「へえー、そんなに一気に録音できるの?」
D:「4日間で50曲。恐るべきペースだね。マイルス・デイビスの50年代のマラソン・セッションに匹敵するかな。」
M:「そんなに一気に録音したら、演奏内容は大丈夫なの?」
D:「うん、それなりにね。エディ・ヒギンズという人のピアノトリオで、アルバム名は、「素敵なロマンス(A Fine Romance)」というタイトル。」
M:「聴いたことないなあ。若い人なの?」
D:「年配の人で、もう75歳だよ。50年代の後半から60年代にかけて、シカゴのジャズクラブで演奏していたらしい。97年からヴィーナスレコードで最新録音のアルバムがリリースされて以来、有名になり、今では日本の多くのジャズファンに知られているよ。」
M:「どんな演奏?」
D:「そうだね。どちらかといえばイージーリスニング的で、肩のこらない聴きやすい演奏だ。でもそれなりに味わいもあるよ。BGMとして気軽に聴くのに最適だね。Murphyくんの好みだと思うけど。でも、もし、この曲のビバップ期の歴史的名演を、というのであれば、ぜひバド・パウエルを。これはもうすごい演奏だから。いつかは是非聴いてほしいな、決定版だから。パウエルのピアノは壮絶だよ。ボクはこちらの方がもちろん好きなんだけど。」
M:「わかった。バド・パウエルはいつかは聴いてみるよ。ところで、エディ・ヒギンズトリオのアルバムには50曲全部入っているの?」
D:「まさか。1枚のCDに12〜13曲程度しか入らないよ。この企画は、シリーズ四部作で、CDが四回にわけてこれから順次リリースされるということだ。名曲ぞろいだし、Murphyくん、これでスタンダード曲を覚えたら。」
M:「そうか。それを聴いて自分の好きな曲を発見するという方法もあるね。」
D:「うん。でも、Murphyくん、バド・パウエル、覚えといてね。」
◇◇◇

素敵なロマンス エディ・ヒギンズ・トリオ Venus Records 2007.2.21
エディ・ヒギンズ Eddie Higgins(p)
ジェイ・レオンハート Jay Leonhart(b)
マーク・テイラー Mark Taylor(ds)
第13回 不滅のジャズ名曲-その13- ノーバディ・エルス・バット・ミー(Nobody Else But Me)
Murphy:「Djangoくん、前回の曲、「バードランドの子守唄(Lullaby Of Birdland)」をさっそく聴いてみたんだけど、曲が始まった途端、ああ、この曲か、とすぐにわかった。これがクリス・コナーだったのか。改めて聴くと、実にいい曲だね。」
Django:「そうなんだ。それに録音もいいだろう。50年代の録音って、今の時代のようなステレオじゃなくてモノラルだけど、サウンドに奥行き感があり、味があるんだ。」
M:「そうだね。想像以上だった。Django君、この時代の録音で、他にいいアルバムない?」
D:「いっぱいあるよ。50年代といえば、ジャズの黄金時代だから、選ぶのに困るぐらいたくさんあるよ。もうすこし、具体的に言ってくれないかな。」
M:「うん。そうだなあ、ジャズ・ボーカルでレトロな味わいというか、ノスタルジックで、くつろいで聴ける曲だね。ゆったりとした気分になれるもの。」
D:「わかった。およそのイメージがついてきた。それなら、あまり知られていない歌手だけど、実にしっとりとした、暖かみのあるボーカルを選んでみよう。バーバラ・リー(Barbara Lea)という白人女性ボーカリストのアルバムで、この歌手の名前がそのままタイトルになった「バーバラ・リー」というアルバムをすすめよう。録音は、50年代半ばで、たしか1956年だったと思う。アルバムの一曲目は、ジェローム・カーン&ハマーシュタインの名コンビによる「ノーバディ・エルス・バット・ミー(Nobody Else But Me)」というミュージカルナンバーで始まるんだ。」
M:「ジェローム・カーンの曲ってよく出てくるね。原曲は、なんていうミュージカルなの?」
D:「ブロードウエイのヒット作、ショウ・ボートだよ。このアルバムは、ずいぶん以前にLP時代に見つけたんだ。たまたま店頭で。バーバラ・リーのことは何も知らなかったんだけど、偶然このLPを発見し、アルバムに収録されている曲をみていたら、「ノーバディ・エルス・バット・ミー」が入っていたので思わず買ってしまったんだ。家に帰って聴いてみたら、想像以上に素晴らしかったね。原曲の持ち味を生かし、実に端正に歌っているんだ。しかも、よくスイングしている。バラードもうまいしね。その後、バーバラ・リーの他のアルバムも集めたんだけど、彼女のアルバムは少なく、50年代のものは確か3枚ほどしか出ていなかったと思う。」
M:「へえ、店頭でそんないいものが、偶然に見つかることってあるんだね。ボクなんか、ABC順に順番に見ていくと、途中で疲れてさっぱりわからなくなるんだけど。何かコツがあるの?」
D:「コツというほどのものではないけど。そうだね。以前のLP時代は、探しやすかったんだ。今みたいにABC順に並べてあっても、アルバムサイズが大きいから、手にとって一枚一枚見ていけたんだね。それと、レーベルごとにまとめてあったお店も多かったよ。例えば、ブルーノートとか、ヴァーヴとか、OJCなど(OJCはプレスティッジ、リバーサイド、コンテンポラリーなどの再発もの)レーベルごとに分かれていたので、レーベルで選ぶ方が多かったね。レーベルである程度の内容がわかるからね。たとえば、軽い感じのジャズがほしかったら、ウエストコーストのパシフィックから選ぶという感じ。」
M:「そうか、レーベルの特徴がわかれば、さらに奥深く入っていけるんだね。」
D:「そのとおり。それと、やはり曲だね。好きな曲を選んでいけばいいんだ。」
◇◇◇
バーバラ・リーは、決して華やかな歌手ではないが、都会的で洗練された雰囲気と暖かみのある歌声は、今聴いてもノスタルジックで味わい深く、大人のジャズとして隠れた人気を持っている。伴奏役の、ジョニー・ウインドハーストが奏でるトランペットも、中間派ならではのリラックスした雰囲気で、このアルバムの魅力をさらに高めている。本当に心が安らぐアルバムだ。
第12回 不滅のジャズ名曲-その12- バードランドの子守唄(Lullaby Of Birdland)
Murphy:「Djangoくん、気楽にくつろいで聴けるジャズで、何かいい曲ない?」
Django:「そもそもジャズは気軽にくつろげる曲が多いんだけど。気楽っていうけど、どういうときに聴きたいの?」
M:「そうだな。夜、まわりが静まりかえったあと、落ち着いて聴ける曲だね。」
D:「夜に聴く曲か。うーん、いっぱいあるんだけど…、例えば子守唄なんかどう?」
M:「Djangoくん、まじめに答えてくれよ。子どもじゃないんだから。大人が聴く曲だよ。」
D:「そうか、それなら大人が聴く子守唄はどう?」
M:「大人の子守唄? ジャズでそんなのあるの?」
D:「あるよ。バードランドの子守唄(Lullaby Of Birdland)っていう曲。有名なニューヨークのマンハッタンにあるジャズ・クラブ「バードランド」に由来する曲で、盲目のピアニスト、ジョージ・シアリングが1952年に作った曲だよ。」
M:「誰の演奏がいいの?」
D:「もちろん作曲者自らの演奏したアルバムもいいけど、今回はジャズ・ボーカルのなかから選んでみよう。クリス・コナーという歌手、知ってる?」
M:「いや、知らないな。女性なの?」
D:「そう。クリス・コナー(Chris Connor)という白人女性歌手のアルバムで、「バードランドの子守唄」っていうタイトル(ベツレヘム・レーベル)。Murphyくんもこれまでに、きっと聴いたことあると思うよ。」
M:「そうかな。ところで、クリス・コナーってどんな人?」
D:「白人ジャズ・ボーカルを代表するシンガーの一人で、ジューン・クリスティとならぶ、白人特有の理知的なタイプ。一言でいえば、クールな歌声だね。」
M:「そう。実はジャズ・ボーカルの世界は、あまりよく知らないんだ。でも、これから是非いろんな歌手のアルバムを聴いてみたいと思うんだ。」
D:「それなら、是非クリス・コナーのこのアルバムをおすすめするよ。クールに淡々と歌いながら、よくスイングするし、しつこく粘らず、そのさりげなさがいいね。彼女は、スタン・ケントン楽団で認められただけあって、本当の意味での実力シンガーだ。このアルバムを録音したのは、確か1953〜54年だと思うけど、当時彼女は20代の半ばで、非常に安定しており、完成度が高いね。ボクは、10インチ盤の復刻LPを持っているんだけど、今入手できるCDだと1枚にまとめられていて、ピアノ・トリオ、オーケストラ、クインテットのさまざまな伴奏の曲が入っている。彼女の初期の名盤だね。」
◇◇◇
他に、「星影のステラ」、「スプリング・イズ・ヒア」、「風と共に去りぬ」などの名曲が入っている。このアルバムは現在東芝EMIよりリリースされている。
第11回 不滅のジャズ名曲-その11- セント・トーマス(St. Thomas)
Murphy:「Djangoくん、このあいだ川辺を散歩していたら、ソリー・ロリンズのあの有名なセント・トーマス(St. Thomas)が聞こえてきたんだ。どこで吹いているのかと思ったら、橋の下だったね。テナー・サックスってずいぶんよく響くもんだね。」
Django:「そうだね。サックスの音は野外でも相当遠くまで響きわたるよ。」
M:「ところで、セント・トーマスは、ソニー・ロリンズ自身の作曲なの?」
D:「そのとおり。ジャズファンならみんな知っている「サキソフォン・コロッサス」というアルバムの1曲目に入っている。カリプソ調のこの曲は、彼自身も何度か録音しているし、ライブではこの曲が始まったら、いつも大歓声だね。」
M:「ボクは、このアルバムでジャズが好きになったんだ。それ以来、ソニー・ロリンズのアルバムは、他に「テナー・マッドネス」や「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」、「ウェイ・アウト・ウエスト」など何枚か集めたよ。」
D:「Murphy君が、ソリー・ロリンズのアルバム、そんなに持っているとは知らなかったね。他に、「橋」は持ってる?」
M:「いや、それは知らないな。いつ頃のアルバム?」
D:「確か1962年の録音だっとと思うけど。1959年の夏から3年間の沈黙を経てリリースした復帰第1作。このアルバムはピアノレスで、そのかわりに、ギターのジム・ホールが入ったんだ。その間、ニューヨークのイーストリバーにかかるウイリアムズバーグ橋の上で、ひたすらテナー・サックスの練習に明け暮れていたことは有名な話だ。ソニー・ロリンズという人は、いまでも現役で活躍しているけど、50年代に傑作を出しても、60年代に再び新しいコンセプトで挑み、さらに70〜80年代、そして現代に至るまで、常に時代の第一線で活躍し、チャレンジし続けている。日本びいきだし、日本のファンを本当に大切に思っている人だ。おそらくジャズ界の最高のインプロヴァイザーの一人に違いない。彼の演奏の魅力は、熱気のなかでのユーモア精神というか、ジャズの楽しさを本当に伝えてくれるところにある。テンションとリラックス、簡潔さと複雑さなど、ジャズならではの魅力が最大限に表現されている。特にライブが素晴らしいね。それと、歌が好きでたまらない人だと思うね。」
M:「これまでソニー・ロリンズは50年代のアルバムしか聴かなかったけど、それ以降もいいアルバムがあるんだね。」
D:「そう。Murphyくんは、ソニー・ロリンズがかなり気に入っているようだから、珍しいアルバムを紹介しよう。このアルバムは、1985年にニューヨークの近代美術館でライブ録音されたもので、なんと56分すべてテナー・サックスの無伴奏ソロで演奏した前人未踏のアルバム。初心者にはやはり、サキソフォン・コロッサスなどのオーソドックスなカルテットの名盤の方から先にすすめるけど、もし、ソニー・ロリンズという森の奥深いところを知りたければ、このアルバムおすすめします。(但し、初めての人にはややとっつきにくいかもしれません。) いきなり豪快なブローで始まり、途中、突然「セント・トーマス」が出てきたり、「夢見る頃を過ぎても」や「アルフィー」なども登場するし、「ホーム・スウィート・ホーム」まで飛び出してくる。最後は手拍子が入り終わっていく。」
◇◇◇
サキソフォン・コロッサスビクターエンタテインメント

橋BMG JAPAN

ザ・ソロ・アルバムビクターエンタテインメント

第10回 不滅のジャズ名曲-その10- ワン・ノート・サンバ(One Note Samba)
Murphy:「Djangoくん、いきなり質問するけど、ジャズに名曲はなし、演奏がすべて、と誰かが言っていたように思うんだけど。どう思う。」
Django:「確かにジャズの場合、アドリブが重要だよ。でも、原曲が魅力的だと、当然アドリブもそれに触発されて良くなるし、やはり原曲はとても大切だと思うね。だからジャズに名曲なしというのは、アドリブ演奏の重要性を強調しただけだと思うな。」
M:「やっぱりそうか。」
D:「かつて60年代以降、フリージャズが流行ったころは、原曲の面影すらなかった演奏もみられたけど、80年代以降は、ふたたびかつての原曲を大切にする、オーソドックスな4ビートでの演奏に回帰していったんだ。その頃から、ジャズ・スタンダードといわれる名曲をふたたび採り上げるプレーヤーが増えた。そういうスタンダード・ナンバーは、みんながよく知っている曲だから、わかりやすく、なによりメロディを口ずさめるし、親しみやすいんだ。それと、もう一つ大切なことは、ジャズのアドリブは、原曲のコード進行にのっとって演奏されるから、やはり原曲の構造が非常に大切だと思うね。」
M:「なるほど。そうすると、ジャズを聴くには、まず自分の好きな曲を選んで聴いていけばよいということ?」
D:「そのとおり。例えば、スター・ダストが好きだとすれば、そこから入り、誰かの演奏を聴いていけばよいと思う。そうすると、次第にプレーヤーの演奏スタイルの違いがわかるようになってくる。原曲を知っているからその違いがよくわかるんだ。ところで、Murphyくん、もともとジャズ・スタンダードは、歌ものが多いんだよ。ガーシュインやリチャード・ロジャースなど、数々の名曲を作曲しているんだけど、大半が歌なんだ。だから覚えやすくて印象に残るんだ。20世紀を振り返れば、本当に優れた後世まで愛される数々の名曲が生み出されたんだ。それは、ボクたちにとって宝だね。まちがいなくクラシックになるだろう。そういった歌ものは、メロディーラインが印象深くて、おまけに曲の構造もジャズ演奏家にとっては魅力的なんだよ。」
M:「さっきからDjangoくんが言っている、「曲の構造」ってどういうこと?」
D:「つまり、コード進行だよ。そのコード進行がいろいろな曲を生み出すんだ。その曲を演奏できるということは、テーマを演奏するだけでなく、アドリブプレイも含まれるんだけど、アドリブはコード進行に基づきプレイするから、コード進行を頭に入れておかなければならない。ジャズにとって、コード展開は、最も大切な要素だね。」
M:「そうか。コード進行がわかっているからアドリブができるということだね。」
D:「そのとおり。だから、ブルースなんかは、コード進行が決まっているから、打ち合わせなしに、すぐにジャム・セッションができるんだ。」
M:「ところで、Djangoくん。今回は誰の曲を選んだの?」
D:「アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)作曲のワン・ノート・サンバ(One Note Samba)。この曲は、曲の1つのモチーフでメロディが変わらず、コードだけが変化していく、面白い曲だよ。」
M:「ああ知っているよ。ボサノバだね。Djangoくん、ボサノバもジャズなの?」
D:「大きくみれば、ジャズだよ。ジャズの影響を色濃く受けているという方が適切かな。」
M:「そういえば、海の向こうのブラジルでは、リオのカーニバルが昨日まで開催されていたね。」
◇◇◇
アントニオ・カルロス・ジョビンは、ボサノバの創始者であり、「ワン・ノート・サンバ」をはじめ、「イパネマの娘」、「ウェイヴ」、「コルコヴァード」など、多くの名曲を残したブラジルの作曲家。ボサノバの演奏家としては、ご存知「スタン・ゲッツ」が、多くの名演奏を残している。ギターのチャーリー・バードとの競演アルバム「ジャズ・サンバ:スタン・ゲッツ&チャーリー・バード」は、後のジャズ・ボサ・ブームの火付け役となった。
ジャズ・サンバ
~ スタン・ゲッツ&チャーリー・バード ユニバーサルクラシック
第9回 不滅のジャズ名曲-その9- ボヘミア・アフター・ダーク(Bohemia After Dark)
Django:「今回は、ジャズ・ベースのプレーヤーが作曲した名曲を採り上げたんだけど。Murphyくん、誰の曲だと思う?」
Murphy:「ベース奏者といえば、ポール・チェンバース、MJQのパーシー・ヒース、ビル・エバンスのグループにいたスコット・ラファロなどを、思い浮かべるんだけど、その中に入っている?」
D:「いや、入っていないよ。他にだれか思い出さない?」
M:「そうだなあ…、あ、そうそう、忘れていたよ。肝心な人、ロン・カーター。ロン・カーターは結構作曲数も多いし、彼じゃない?」
D:「残念でした。ヒントを与えよう。今言ったロン・カーターが、ベース界の大先輩として大変尊敬している人だよ。」
M:「うーん、ますますわからなくなってきた。そろそろ答えを言ってくれよ!」
D:「では、発表します。オスカー・ペティフォードです。曲は、彼の代表作で、ボヘミア・アフター・ダーク。一般にはあまり知られていないようだけど。ペティフォードはモダン・ベースの巨匠といわれる人で、作曲家としても多くの名曲を残しているんだ。他に、ブルース・イン・ザ・クローゼット、タマルパイスなどが有名。アルバムでは、自分のリーダーアルバムより、サイドで演奏しているものの方が知れ渡っているね。例えばMurphy君も知っているだろう、ハスキーボイスで有名なヘレン・メリルの人気アルバム、「ウィズ・クリフォード・ブラウン」や、他に「オスカー・ペティフォードの神髄」「コンプリート・オスカー・ペティフォード・イン・ハイファイ」なんかがよく知られているよ。多くのベーシストに影響を与えたオスカー・ペティフォード は、一般のファン以上にプロのベース奏者から慕われ、いつかはペティフォードのように演奏したいと思うあこがれの人だったんだよ。」
M:「そうか、知らなかったなあ」
D:「ペティフォードはモダン・ベース奏法の確立者で、ベーシストはみんな、彼の奏法を学んだんだ。Murphy君の知っている、ロン・カーターもそうだよ。実は、数年前に、ロン・カーターが来日したとき、念願のペティフォードに捧げるアルバムを録音したと言っていたのが印象的だったね。そのときの情景は、今でも覚えているよ。車の中で、目を輝かせて「今月リリースされるんだけど、このアルバム、スイング・ジャーナルのゴールドディスクに選ばれたんだ」と言って大変喜んでいたんだ。」
M:「へえー、それで。」
D:「「発売はいつなんですか?」と尋ねたら、なんと次の日に発売だということがわかった。それで、明日発売なら、きっと前日にレコード店に入荷してるんじゃないかと思い、急いで買いに行ったんだ。でも、残念ながら手に入らなかった。ロン・カーターは、その新譜が紹介されているスイング・ジャーナルを記念に是非入手したいと言っていたので、後日NYまで郵送したんだ。」
M:「そうだったのか。」
D:「ベースの神様と言われる、ロン・カーターが、自分たちの大先輩のペティフォードのことを想い続けていたんだ。それがやっとアルバムになって、ボクも胸があつくなったね。」
M:「そのアルバムのタイトルを教えてくれる?」
D:「2001年10月に東芝EMIのsomethin’elseというレーベルからリリースされたスター・ダスト(Star Dust)というアルバム。1曲目のタマルパイス(Tamalpais)と4曲目のボヘミア・アフター・ダークはともに、印象に残るメロディーラインで哀愁が漂う名曲だね。」
◇◇◇
オスカー・ペティフォードは、1922年生まれ。1958年に渡欧。1960年コペンハーゲンにて死去。ロイ・エルドリッチやディジー・ガレスピーの楽団を経て、自己のコンボを率いた。モダン・ベース奏法の確立者。代表的アルバムは、Bethlehemレーベルの「オスカー・ペティフォードの神髄」1955年録音、このアルバムに名曲「ボヘミア・アフター・ダーク」が入っている。(このアルバムは入手困難なことが多い。) ここでは、ペティフォードに捧げたロン・カーターの「スター・ダスト」をあげておく。
スターダストロン・カーター (b)、ローランド・ハナ(p) 、 ベニー・ゴルソン(ts) 、 ジョー・ロックス(vibe) 、 レニー・ホワイト(ds) 東芝EMI TOCJ-68053






