ラブラドールが聴いた今日のジャズ-第8回- Gypsy Lamento / Ken Peplowski Gypsy Jazz Band

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ジプシー・ラメント

Django:「Django系ジャズの最新アルバム、Gypsy Lamento。実はこのアルバム、2008年4月にヴィーナス・レコードより発売されたが、今の季節にぴったりなジャズだ。真夏にこそ聴きたいアルバム。あの、ジャンゴ・ライハルト的スウィング・ジャズが存分に楽しめる。

演奏は、サックスとクラリネットの両刀使いのケン・ペプロフスキー(Ken Peplowski)率いるGypsy Jazz Band。ギターは、名手Bucky PizzarelliとともにHoward Aldenも参加。ドライなアコースティックサウンドでジプシー・ギターを奏でる。もちろん、ヴァイオリン(Arron Weinstein)も加わり、白熱のジプシー・スウィング・セッションが展開される。

冒頭のTopsyからいきなり、引き込まれる。もちろん、ジャンゴの十八番Minor Swingも収録されている。Tearsでは、ジャンゴ風ギターが大活躍。意外だったのは、エリントンの屈指の名曲Solitudeが取り上げられていること。選曲の良さが光る。Djangoの香りを現代に蘇らせた実に楽しい最新アルバム、カラフルなサウンドと独特のスウィング感、一度聴くと手放せなくなる。これはもう今夏のベストアルバムとしかいいようがない。Djangoが薦める最もDjango的なアルバム、文句なしに特選!」

MurphyのおすすめハワイアンCDーその2ーLei of Stars

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■Various Artists
Copyright Year(s): 1998

■ノスタルジック ヴィンテージ
1940年代のヴィンテージ・ハワイアンサウンドが20曲収録されたアルバム。40年代のハワイアンは、Golden Age of Hawaiian musicと呼ばれ、20〜30年代の第一次黄金時代に続く、キラ星のようにスターが誕生した時代だった。現在まで歌い継がれる、ハワイアンミュージックのスタンダードといえば、この頃に作られヒットした曲が多い。ハワイアンといえばスティールギターをイメージしてしまうが、このアルバムは、まさにそうした時代のヴィンテージ録音を復刻CD化したもの。

1940年代の伝説のミュージシャンがずらり勢揃いしている。収録アーティストは、Alfred Apaka, Pua Almeida, Jules Ah See, George Kainapau, Benny Kalama, Alvin Kaleolani Issacs, Gabby Pahinui, Richard Kauhi, Andy Cummings, Genoa Keawe,など。古いSP音源を復刻したサウンドは思ったよりクリアーで鮮明だ。ノスタルジックな気分に浸れるこのアルバムを部屋のBGMとしてかけっぱなしにしておくのもいい。ボクの最も好きな曲、Kaimana Hilaも、もちろん含まれている。 スティールギターで始まるAndy Cummings & His Hawaiian Serenadersの演奏は、このアルバムのハイライトだ。(Murphy)

MurphyのおすすめハワイアンCDーその1ーJake Shimabukuro/Hula Girls

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Hula Girls
■Jake Shimabukuro

Copyright Year(s): 2007

■コンテンポラリー

映画「フラガール(Hula Girls)」のサウンドトラック。日頃ハワイアンに親しみのない若い人にもおすすめのアルバム。ジェイクのウクレレの素晴らしさを是非このアルバムで知ってほしい。もちろん照屋実穂の歌うHula Girlも入っており、Jennifer PerriのHula Girlとともに両方聴ける。Opening Dayでは、Jakeが軽快なラグタイム風リズムを奏でる。スローテンポのTouch、ウクレレの優しい響きが心を癒す。(Murphy)

こちらで試聴可

■Jake Shimabukuro その他のアルバム

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ハワイコンサート情報(オアフ)2008/7/31〜8/14

■Thursday July 31st, 2008    HI – O`ahu    Honolulu   
Artist:    Nathan Aweau, Beach 5
Details:    06:00 PM
Venue:    Ala Moana Hotel – Pakele Lounge
Info/Tix:    FREE
Event:    PAKELE LIVE

■Wednesday August 6th, 2008    HI – O`ahu    Waikiki   
Artist:    Holunape
Details:    06:00 PM
Venue:    Honolulu Zoo
Info/Tix:    $2 at gate
Event:    WILDEST SHOW IN TOWN

■Thursday August 7th, 2008    HI – O`ahu    Honolulu   
Artist:    Holunape
Details:    06:00 PM
Venue:    Ala Moana Hotel – Pakele Lounge
Info/Tix:    FREE
Event:    PAKELE LIVE

■Thursday August 7th, 2008    HI – O`ahu    Waikiki   
Artist:    Willie K.
Details:    07:00 PM
Venue:    Waikiki Aquarium
Info/Tix:    Limited seating, for Tickets call 808-440-9015
Event:    KE KANI O KE KAI

■Saturday August 9th, 2008    HI-O’ahu    Waimanalo   
Artist:    Del Beazley, Brother Noland, Kunia Galdeira, Robi Kahakalau, David Kamakahi, Dennis Kamakahi, Dwight Kanae, Nina Keali`iwahamana, Ku`uipo Kumukahi, Melveen Leed, Elmer "Sonny" Lim, Makaha Sons, Bla Pahinui, Cyril Pahinui, Martin Pahinui, Pali, Pandanus Club, Owana Salazar, Jerry Santos
Details:    09:00 AM
Venue:    Waimanalo Beach Park
Info/Tix:    FREE
Event:    GABBY PAHINUI WAIMANALO BASH

■Saturday August 9th, 2008    HI – O`ahu    Hawai`i Kai   
Artist:    Brothers Cazimero
Details:    05:30 PM
Venue:    Hawai`i Kai Towne Center – Waterfront Stage
Info/Tix:    FREE
Event:    SUNSET SERENADE

■Thursday August 14th, 2008    HI – O`ahu    Honolulu   
Artist:    Ledward Kaapana
Details:    06:00 PM
Venue:    Ala Moana Hotel – Pakele Lounge
Info/Tix:    FREE
Event:    PAKELE LIVE

■Thursday August 14th, 2008    HI – O`ahu    Honolulu   
Artist:    Makaha Sons
Details:    07:59 PM
Venue:    Bishop Museum – Great Lawn
Info/Tix:    Call 808-847-8290
Event:    MOONLIGHT MELE

今井栄一著「雨と虹と、旅々ハワイ」

51a7v4wkkyl_sl500_aa240__2日本に居ながらにしてハワイに旅できる本。今井栄一著「雨と虹と、旅々ハワイ」。今井栄一さん自らが現地で撮影した写真はすべてスクエアー(正方形)フォーマットで統一されている。よくある有名な写真家が撮った力の入ったハワイの写真集とはひと味もふた味も違う。肩の力を抜いた普段着のハワイがそのまま伝わってくる。写真から出てくる独特の空気感、これがいい。ハワイだ!

ハワイに関するエッセイとともに、ハワイ在住のアーティストやデザイナーへのインタビュー記事も掲載されている。今井栄一さんと交友関係のある人たちだが、すごいメンバーだ。アロハシャツ・デザイナー、シグ・ゼーン(Sig Zane)も、実は今から4年ほど前にこの本で知った。スラック・キー・ギタリスト(Slack key guitarist)、レイ・カーネ夫妻(Ray & Elodia Kane)も。

「モアナ・サーフライダーでピニャコラーダか! ますます王道だ!」の一節を読み、恥ずかしながらそれまで知らなかったトロピカルカクテルの定番、ピニャコラーダもその後、味わってみた。ラムをベースに、ココナッツミルクとパイナップルジュースを砕いた氷と一緒にシェイクして作る。(Murphy)

26th Annual Hawaiian Slack Key Guitar Festival

今年のスラック・キー・ギター・フェスティバル(オアフ島)
Event:26th Annual Hawaiian Slack Key Guitar Festival -O’ahu Style- Date:August 17th 12P.M.-6P.M.
Place:Queen Kapiolani Park in Waikiki
You can enjoy the professional Hawaiian Slack Key Guitarists concert!
TEL:(808)226-2697 FAX:(808)239-6057 Email:info@slackkeyfestival.com
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ラブラドールが聴いた今日のジャズ -第7回- Jazz Elegance / Jack Jezzro

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Jazz Elegance

Django:「このところ日中の暑さは35度。これではとうてい散歩にもいけない。家でゴロゴロしていると突然いい音楽が流れてきた。ジャズギタートリオ。ギターはナイロン弦で、とても歯切れがいい。実によくスウィングする。アルバムを覗いてみると、Jazz Elegance / Jack Jezzroと書いてあった。曲目は、彼のオリジナル曲が4曲、残りは馴染みのあるスタンダードナンバーで構成されている。

冒頭のナイト・アンド・デイ(NIGHT AND DAY)を聴いた途端、暑さを吹き飛ばすぐらの爽快な演奏に耳を奪われた。スムーズだ。難しくない。ナイロン弦の奏でるリズム感が実に心地よい。さわやかだ。真夏に最適なジャズアルバムを思わず発見。ジャズ入門者からベテランまで広くおすすめできるCD。こんなアルバムを最初に聴けば、みんな間違いなくジャズが好きになる、とも思った。」

ネイサン・アウェアウのヴォーカルでハワイアン・トラディッショナル・ミュージックを聴く

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ハワイ・クラシック・シリーズVol.2~フラ

Django:「前回のハワイアン・ミュージック、コンピレーションアルバム、ALOHA HEAVENに収録されている、ネイサン・アウェアウ(NATHAN AWEAU)の歌うパーリー・シェルズ(真珠貝の歌)がとってもよかったね。この曲は、60年代にビリーボーン楽団の演奏で大ヒットして、みんな知っている超有名な曲だけど、ネイサン・アウェアウが歌うと、また違った本場の雰囲気が一層伝わってくる。

ところで、Murphyくんに、聴きたいんだけど、ネイサン・アウェアウは、こういういかにもハワイアンって感じのトラディッショナルな曲を他にも歌っているの?」

Murphy:「実は、ALOHA HEAVENに収録のパーリー・シェルズは、もともとネイサン・アウェアウ、ハワイ・クラシック・シリーズVol.2~フラというアルバムからの選曲。このアルバム、2007年の6月にリリースされたんだけど、タイトルどおり、ハワイアンのトラディッショナルな曲の中から、友人のフラ・ダンサー達が“人から踊って欲しいと頼まれる曲”をピックアップしたもの。」

D:「ところで、ネイサン・アウェアウについては、ボクはほどんど知らないんだけど、少し教えてくれる?」

M:「ネイサン・アウェアウは、ハワイの音楽一家に生まれ、学生時代にプロデビュー。2001年に、彼の3rdアルバム「エ・アポ・マイ」が大ヒット。ハワイのグラミー賞「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」で「最優秀男性ヴォーカリスト賞」を獲得した。ベースプレーヤーとしても有名で、バリー・フラナガン率いるHAPAのメンバーでもある。

2005年にハワイのトラディショナル・ナンバーのばかりを集めたハワイ・クラシック・シリーズ VOL.1 ~ヴィンテージをリリース。その第2弾が今回のアルバム。この2枚は特におすすめのアルバムだね。」

今年のAloha Heavenもいいね!

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アロハ・ヘヴン・ルアナ

Django:「毎年この時期にVictorからリリースされる、ハワイアン・ミュージックのコンピレーションアルバム、ALOHA HEAVEN、今年のアルバムはどう? Murphyくんのことだからもう購入済みだろう?」

Murphy:「もちろん。今年のアルバムのサブタイトルは、ルアナ(Luana)ルアナって、”リラックスする”、”仲間と楽しむ”という意味らしい。このサブタイトルどおり、全20曲、現在のハワイを代表するアーティストが結集しており、実に愉快なスーパーコンピレーションアルバムに仕上がっている。

Djangoくんが前回取り上げた、ジェフ・ピーターソン(Jeff Peterson)もその中に収録されている。」

D:「そうか。曲は、ひょっとしてカイマナヒラ?」

M:「もちろん。ジェフ・ピーターソンのカイマナヒラも聴けて、他に、現地ではスーパースター的存在のケアリイ・レイシェル、No.1女性ハワイアン・グループのナレオ、スラック・キー・ギターの若き名手マカナ、ご存じハーブ・オータサン、など、第一線の実力派アーティストがズラリ。それに山内雄貴さんも加わっている。そして日本のウクレレの名手IWAOさんも。ライナーノートは、今井栄一さんが書いている。

ハワイのリラックスした空気感を、自分の部屋に持ち込みたい人におすすめ。このアルバムを入手して、そのなかから自分に合ったハワイアン・ミュージックを選ぶ旅に出るのもいい。」

ハワイアン・スラック・キー・ギターの名手、ジェフ・ピーターソンの弾くカイマナヒラ

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ピュア・スラック・キー

Django:「このところ家でハワイアン・ミュージックがよくかかっているんだけど、この季節にはやはり何といってもハワイアンがいいね。そのなかでも、ハワイアン・スラック・キー・ギターの名手、ジェフ・ピーターソン(Jeff Peterson)の奏でるカイマナヒラがボクのお気に入り。」

Murphy:「ジャズ好きのDjangoくんも聴いていたのか。カイマナヒラ、実にいいね。以前にもこのブログで書いたけど、カイマナヒラっていうのは、ダイアモンド・ヘッドのこと。ジェフ・ピーターソンはこの曲をアコースティックギターソロで演奏している。これがとってもリラックスできるんだね。

実は、昨年の夏にリリースされたピュア・スラック・キー というアルバムの7曲目にこの曲が挿入されている。よくこの曲だけリピートをかけて繰り返し聞いている。これがいいんだね。普通なら飽きるけど、彼の演奏って、ずっと繰り返しかけていても、退屈しないから不思議だ。部屋の空気が本当に変わるよ。うるさくなく、ふわっと部屋全体を包み込むようなサウンド。ゆったりとしたなかで、右手の親指で弾く低音部が実に心地よいリズム感を与えてくれる。」

D:「ジェフ・ピーターソンって確かマウイ島出身じゃなかった?」

M:「そうらしいね。マウイ島だね。何でも、お父さんはハワイアン・カウボーイらしい。それだけに、彼の演奏は、ローカル色豊かで、本場の空気感がたっぷり醸し出される。この夏一番のおすすめアルバム!」