第88回 不滅のジャズ名曲-その88-アイ・オンリー・ハヴ・アイズ・フォー・ユー(I Only Have Eyes for You)

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マイ・ロマンス スタンダード・コレクションVol.1

Django:「スウェーデンのコルネットとギターとベースのユニークなトリオ、Sweet Jazz Trioは、随分前に一度紹介したことがあるけれど、もう一度採り上げてみよう。」

Murphy:「Sweet Jazz Trio。覚えているよ。とっても暖かくて大人の寛いだジャズを聴かせるグループ。北欧のジャズって、シンプルで、アコースティック楽器の音色を大切にした演奏が多いね。特にこの時期、冬の夜にジャズを聴くのにピッタリだ。」

D:「このグループ、編成がユニークだね。ドラムレスで、ピアノが入っていないから、それぞれの奏者の絡み合いがよく出ている。しかも、スタンダード曲を中心に演奏し、歌ものが非常に得意だから、いつでもどこでも聴ける。しかもセンスがいい。」

M:「そうだね。部屋の雰囲気まで変わるね。」

D:「今回は、2005年に発売されたアルバムで、タイトルは"My Romance" -Standard Collection Vol.1。このなかの2曲目に入っているI Only Have Eyes for Youという曲は、Harry Warrenが1934年に作曲したソングで、その後ジャズスタンダードになった。コールマン・ホーキンスが1935年に録音している。ジャズを聴いて心が落ち着くとは、このSweet Jazz Trioのような演奏のことを言うのだろう。」

第87回 不滅のジャズ名曲-その87-ノー・グレイター・ラブ(There Is No Greater Love)

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From the Beginning

Django:「前回(第87回)採り上げたスコット・ハミルトンのファーストアルバム(1977年)とセカンドアルバム(1978年)をセットにした2枚組CDが発売されている。タイトルは、Scott Hamilton From the Beginning。2002年リリースで現在も入手可能。」

Murphy:「1stと2ndでは、編成が違うの?」

D:「1stアルバムは、トランペットが加わり、2ndでは、トランペットの代わりにギターが参加している。ギターはカル・コリンズ。2ndアルバムの原タイトルはScott Hamilton2。

2ndアルバムの2曲目には、Isham Jonesが1936年に作曲したThere Is No Greater Loveが入っている。この曲は、これまで随分多くのジャズプレーヤー、オーケストラ、歌手などが演奏してきた人気の曲で、ソニー・ロリンズも50年代に吹き込んでいる(アルバムタイトルはWay Out West)。こういった歌ものは、さすがにスコット・ハミルトン、うまい。」

第86回 不滅のジャズ名曲-その86-インディアナ(Indiana)

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Scott Hamilton is a good wind who is blowing us no ill

Murphy:「前回のスコット・ハミルトン、実にいいね。もっと他のアルバムを紹介してくれる?」

Django:「1970年代の終わり頃に、コンコードレーベルからデビューし、オールドスタイルのテナー奏者として注目された人で、その後、コンスタントにアルバムを録音し、今では相当な数になると思う。ボクは、ほぼリアルタイムに、彼のLPレコードを収集していったんだけど、当時としては最新録音でありながらこんなオールドスタイルのジャズLPなんて、実に貴重な存在だった。

今回は、彼のファーストアルバムを紹介しよう。大変長いタイトルのアルバム、Scott Hamilton is a good wind who is blowing us no ill。1977年にリリースされた。自分では、このアルバムはその後の1978年に出たScott Hamilton2と確か同時に買ったと思う。たまたま店頭に見つけたものだった。中身が全くわからず、あくまでカンを働かせて買ってみた。ジャケットデザインに惹かれたのと、コンコードという新しいレーベルが、何か新しい世界を切り開いてくれるではないかという期待があった。すぐに家に持ち帰り聴いてみた。アタリだった。

その新しさというのは、昔の古いジャズ、あるいはジャズが最もジャズらしかった頃にもう一度戻るということだった。実験的な試みの演奏にはもう飽きて、エレクトリック・サウンドより往年のアコースティックな生楽器の音でジャズを。フォービートのジャズ、普段着のジャズ、歌うジャズ、そして、何よりもスイングするジャズを。当時みんながそう思っていたのかも知れない。

このアルバムの2曲目に入っているインディアナ。英語のタイトルは、Back Home Again In Indiana、あるいは単にIndianaと呼ばれている。1917年の曲だから、相当古い。作曲者は、インディアナ出身の、ジェームズ・ハンリー(James Hanly)スコット・ハミルトンはその後この曲を何回も録音している。彼の十八番だろう。チャーリー・パーカーは、この曲のコード進行を用いて、ドナリー(Donna Lee)を作った。有名な話だ。この曲は、古いだけにこれまで多くのプレーヤー達が演奏してきた。オリジナル・ディキシーランド・ジャズバンド(ODJB)のヒットから始まり、サッチモも採り上げた。名曲だね。」

第85回 不滅のジャズ名曲-その85-恋とはどんなものかしら(What Is This Thing Called Love?)

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バック・イン・ニューヨーク

Django:「ジャズスタンダードのなかでも名曲中の名曲といえば、コール・ポーター(Cole Porter)作詞・作曲の、恋とはどんなものかしら(What Is This Thing Called Love?)だろう。この曲は、ミュージカルWake Up and Dreamのナンバーで1929年に作られた。一聴しただけで、思わずいい曲だ!と、誰もが思ってしまう。これまでにも多くのジャズヴォーカリストが歌っている。男性ではメル・トーメ、フランク・シナトラ、女性では、エラ・フィッツジェラルド、ヘレン・メリルなどが名演を残している。」

Murphy:「確かパーカーもこの曲を録音していなかった?」

D:「そう。チャーリー・パーカーも、1952年にハリウッドでこの曲を吹き込んでいる。ノーマン・グランツによる伝説のジャズセッションで、オスカー・ピーターソン(p)、バーニー・ケッセル(g)らとの共演だったね。」

M:「実はこの曲でボクはジャズを好きになったんだ。今回は誰のアルバム?」

D:「名曲だけにこの曲のアルバムを選ぶのはむずかしいけれど、今回は最新録音のなかから選んでみた。原曲の持ち味を大切に、あまり崩さずストレートに演奏し、リラックスしたスイング感が持ち味のテナー奏者、スコット・ハミルトン(Scott Hamilton)が、2005年に吹き込んだアルバムで、タイトルはバック・イン・ニューヨーク(Back in New York)

このCDは、数多いスコット・ハミルトンの録音のなかでも、ひときわ精彩を放つ
アルバムだ。以前に採り上げた注目のピアニスト、ビル・チャーラップとの共演で、コンコード・レーベルから2005年にリリースされたもの。スコットはオールドスタイルのテナー・マンで、くつろいでジャズを聴きたい人や、心温まる演奏を求めている人に最適。

実は、スコット・ハミルトンを知ったのは、今から20年以上前の、1980年頃だった。もちろんLPレコード時代で、当時コンコード・レーベルは輸入盤しかなかったけれど、フュージョンに飽きて、もう一度アコースティックなサウンドを求めるようになった頃だった。最新録音なんだけど、コンコード・レーベルは古き良きジャズの香りを残しており、スイング系や中間派、往年のジャズプレーヤーのアルバムを続々と発売していった。特に、50〜60年代に活躍したジャズギタリストのアルバムも勢力的に録音が開始された。その頃、夢中でコンコード・レーベルのLPを買い集めた。もちろん、最初はこのレーベルのことを全く知らずに、店頭の輸入盤バーゲンコーナーで偶然見つけ買ってしまったわけだが、家に帰りレコードに針をおろした瞬間、これだ!、と思った。うれしかったね。そのレコードがスコットハミルトン2
だった。あれから随分時が経過した。2005年リリースのバック・イン・ニューヨークジャケットを見てつくづく思う。

一言でいえば、コンコードレーベルは、フュージョン全盛時代に、もういちどアコースティックでスイングするジャズアルバムを市場に送り出したわけだ。そんななかで、スコット・ハミルトンは次々にアルバムを発表し、コンコードレーベルの看板プレーヤーとなった。」

第84回 不滅のジャズ名曲-その84-枯葉(Autumn Leaves)

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Hallmarks: The Best of Jim Hall

Django:「今回はスタンダードジャズの中でも、誰もが知っている曲、枯葉(Autumn Leaves)。ご存知のようにもともとJoseph Kosma作曲のシャンソンで、1947年に誕生。ジャズの世界では女性ヴォーカリストのジョー・スタッフォード(Jo Stafford)が最初にレコーディングしたといわれる。その後、1958年にBlue Noteレーベルより発売されたキャノンボール・アダレイ名義のSomethin’ Elseにマイルスが吹き込み大ヒットした。」

Murphy:「Somethin’ Elseはジャズの超入門アルバムだね。ところで今回はだれの演奏を選んだの? 枯葉は有名だからそれこそ無数にアルバムがあるからね。

D:「ジャケット写真でおわかりのように、今回はジム・ホール(Jim Hall)の演奏を選んだ。実は、このアルバムは、コンコード・レーベルから2006年10月に発売されたジムホールの2枚組ベスト盤で、アルバムタイトルは、Hallmarks: The Best of Jim Hallコンコードに吹き込んだものだから、1980年代以降の比較的新しい録音。ジム・ホールの演奏に、より豊かな独自の個性が輝きだした頃からのものだといえる。

これまでベスト盤はどちらかといえばあまり採り上げなかったのだけれど、このアルバムは例外で、コンピレーションの内容もよく、しかもジャケット写真が魅力で印象に残った。全20曲収録されており、ジム・ホールコンテンポラリーでクリエイティブな側面を知るには最適なアルバムだね。」
 

第83回 不滅のジャズ名曲-その83-いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)

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Live at Maybeck Recital Hall, Vol. 3: Music of 1937

Django:「世の中にはいろんなジャズのアルバムがあるけど、今回紹介するのはそのなかでも大変ユニークなアルバム。同じ年に作曲された曲ばかり集めたアルバムで、全曲1937年に誕生した曲。Concord JazzレーベルのLive at Maybeck Recital Hallシリーズ Vol. 3タイトルは、Dick  Hyman/Music of 1937

Murphy:「1937年といえば、戦前だからスイング時代の曲だね。」

D:「全部で12曲収録されている。すべてピアノソロ。演奏者は、アメリカのディック・ハイマン(Dick  Hyman)という名ピアニスト。曲目は、マイルスのアルバムで有名な、いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)をはじめ、My Funny Valentine、Caravan、Foggy Dayなど、ジャズスタンダードの代表曲が数多く収録されている。」

M:「知っている曲ばかりだね。1937年は名曲がいっぱい生まれた年なのかなあ。ところで、ディック・ハイマンという人は、ボクは全く知らないんだけど、どんな人?」

D:「ピアニスト、オルガニスト、アレンジャー、ディレクターで作曲家でもある。この人の演奏を聴けば、20世紀のジャズピアノの歴史がわかる。しかも、どれも現代の演奏として実に生き生きとしている。伝統的な奏法を研究し尽くしたディック・ハイマンの演奏は、ジャズの遺産として過去の奏法を継承しながら、今の時代のわれわれに実に新鮮に語りかけてくれる。これまで11枚のソロアルバムを録音しているが、どれもすばらしい。今回採り上げたアルバムはライブレコーディングだから一層彼の特質が表れており、5曲目に収録されている、Someday My Prince Will Comeなど、イントロから思わず惹き込まれる。ディック・ハイマンのピアノは、ジャズファンだけでなく、クラシックファンにも是非聴いていただきたい。」

第82回 不滅のジャズ名曲-その82-アイ・ウォント・トゥ・ビ・ハッピー(I Want To Be happy)

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ジ・インペッカブル・ミスターウィルソン

Django:「このシリーズも早いもので今回で82回目だけど、大事な人を忘れていた。スイング系のピアニストならこの人をまず筆頭にあげるべきだった。テディ・ウィルソン(Teddy Wilson)。クラシックなジャズ、オールド感覚溢れるジャズ、いつでも聴いて楽しいジャズ、歌ものスタンダード曲中心のジャズ、リラックスできるジャズ、優雅なジャズ、初めての人でもとっつきやすく、いつかどこかで聴いたような懐かしい香りのするジャズ、...。こういった要素をすべて持ち合わせているのがテディ・ウィルソンだ。」

Murphy:「テディ・ウィルソンといえば、確かベニー・グッドマンといっしょに演奏していた人だね。リーダー・アルバムは全く知らないんだけど、かなり古くから録音していたの?」

D:「30年代後半から吹き込まれたビリー・ホリディのアルバム(ブランズウィック・レーベル)で、テディのピアノを聴くことが出来る。40年代に入り、ジョン・ハモンドの紹介でベニー・グッドマンと共演し、彼のピアノは一世を風靡する。50年代に入り、ノーマン・グランツのプロデュースにより、本格的なレコーディング活動が始まり、リーダー作を発表する。ノーマン・グランツはテディを高く評価していたようだ。」

M:「ノーマン・グランツといえばVerveレーベルだね。Verveは今改めて思うけど、大変貴重なアルバムを数多く残してくれたんだ。」

D:「今回紹介する、ジ・インペッカブル・ミスターウィルソン(The Impeccable Mr.Wilson)は、Verve時代の1957年の録音。ピアノトリオで演奏され、彼のリーダー作としてスイングピアノの楽しさを満喫できる。全12曲で、1曲目は、Youmansが1924年に作曲した名曲、アイ・ウォント・トゥ・ビ・ハッピー(I Want To Be happy)。この曲は、1944年テディがエドモンド・ホールと共演した Edmond Hall/Teddy Wilsonでも演奏しており、アップテンポでスイングし、彼の十八番だね。この曲は、レスター・ヤングやオスカー・ピーターソンなどもよく演奏した。」

M:「テディ・ウィルソンとオスカー・ピーターソンとの違いは?」

D:「そうだね。どちらもよくスイングするけど、テディの方がより原曲の美しさを表現しているといえる。テディーは優雅、滋味といった形容がぴったり。気品というかより大人のジャズの香りがする。」

第81回 不滅のジャズ名曲-その81-リカード・ボサノバ(Recado Bossa Nova)

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Django:「リカード・ボサノバ(Recado Bossa Nova)といえば、バーニー・ケッセルがOn Fire(エメラルド盤)で録音した演奏が有名だけど、新人ギタリストの最新アルバムで久々にこの曲を聴いた。1975年NY生まれのギタリスト、アンディ・ブラウン(Andy Brown)のデビューアルバムで、タイトル名はTrio And Solo

アンディのギターは、バーニー・ケッセルに勝るとも劣らぬ抜群のスイング感で、最後まで一気に聴き通せるほどの魅力的な演奏だ。奇をてらわず、まさに正統派のジャズギター。歌心溢れ、スインギーで、心地よいジャズに浸ることが出来る。」

Murphy:「正当派ジャズ・ギターといえば、ジョー・パスなんかにも似ているの?」

D:「その通り。このアルバムは、15曲中8曲がトリオで7曲がソロ。特にソロはジョーパスの奏法を継承している。曲によってケニー・バレルのブルージーな演奏も彷彿させるし、ジャズギターの遺産をしっかり受け継いだギタリストだね。」

M:「現在はNYで活躍しているの?」

D:「2003年からシカゴに移住しているらしい。シカゴの地元で特に人気のあるギタリストのようで、いくつかのライブハウスで演奏活動を行っている。地元のジャズ誌Chicago Jazz Magazineも次のように絶賛している。

“Andy Brown is fast becoming one of Chicago’s hottest guitarists…his playing is intelligent, sensitive and thoughtful; wonderfully clean and uncluttered…he swings so hard and sweet!”

-Chicago Jazz Magazine

M:「このアルバムの発売元は?」

D:「String Damper Records(SDR2132)からリリースされており、現在のところ国内盤の発売は未定で輸入盤でしか入手できないようだ。このアルバム、トリオとソロの両方楽しめるところがいいし、ソロは秋の夜長にぴったり。ジャズ入門の方にも全く抵抗なく聴ける心地よい演奏だ。」

第80回 不滅のジャズ名曲-その80-ステラ・バイ・スターライト(Stella By Starlight)

Roundmidnight ラウンド・ミッドナイト(K2HD/紙ジャケット仕様)Django:「ヴィクター・ヤング(Victor Young)の作曲した、1944年のパラマウント映画Uninvitedの挿入曲である、ステラ・バイ・スターライト(Stella By Starlight)は、ジャズスタンダードのなかでも特に人気の高い曲。アルバムの一曲目がこの曲で始まるクロード・ウイリアムソン(Claude Williamson)ラウンド・ミッドナイト(Round Midnight)というタイトルのアルバムは、ピアノトリオアルバムのなかでも隠れた名品として、多くのファンに今でも親しまれている。前回同様、ベツレヘム・レーベルで、今月(10月)の24日に再発される。」

Murphy:「クロード・ウイリアムソンって聴いたことないけど、どんなタイプ?」

D:「バド・パウエル派の白人ピアニスト。このアルバムは1956年の録音で、ジャズスタンダードで固められている。ベツレヘム・レーベルを代表するアルバムで、派手さはないけど、何度も繰り返して聴きたくなる味のある演奏だ。アルバムジャケットのデザインが地味すぎて見逃しがちで、しかもこれまで再発されては廃盤を繰り返してきた。こういうアルバムを見逃さずに入手すれば、愛聴盤としていつでも楽しめるよ。推薦!」

第79回 不滅のジャズ名曲-その79-木の葉の子守歌(Lullaby Of The Leaves)

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ザ・リターン・オブ・ハワード・マギー(K2HD/紙ジャケット仕様)

Django:「ベツレヘム(Bethlehem)レーベルって知ってる?」

Murphy:「クリス・コナーのバードランドの子守唄は、確かベツレヘム・レーベルだったような気がするけど。」

D:「その通り。実は、このベツレヘム・レーベルの国内発売元が、ビクター・エンタテインメントに移籍して、今年の6月から発売を開始し、12月までに50タイトルが出揃うことになる。このレーベルはマイナーレーベルなんだけど、モダンジャズの絶頂期である50年代に録音されただけあって、今でも第一級の価値ある名盤揃いだ。この10月に発売される10タイトルのなかでは、ビバップ三大トランペット奏者の1人である、ハワード・マギー(Howard MacGhee)のアルバムは見逃せないね。アルバムタイトルは、ザ・リターン・オブ・ハワード・マギー(The Return of Howard MacGhee)で、1955年の録音。」

M:「ビバップ三大トランペッターって、他は誰?」

D:「ディジー・ガレスピーとファッツ・ナバロ。ハワード・マギーは、ディジーより1歳若い。」

M:「実は、最近特にビバップがいい!とつくづく思っていたんだ。」

D:「ハワード・マギーのアルバムは、再発されては廃盤になることが多く、一気に揃えることはむずかしいかも知れないけど、気長に待てばそのうちまた発売される。そのなかでも、今回のベツレヘム盤のザ・リターン・オブ・ハワード・マギーは特にお薦めだね。木の葉の子守歌(Lullaby Of The Leaves)四月の思い出(I’ll Remember April) などの有名曲が収録されているし、全作品に流れるビバップ・フレーズは、理屈抜きに楽しめるね。」