
1957年録音のセロニアス・モンクのソロアルバム。モンクはソロで聴くのが一番いい。モンクのソロは特別だ。最近になってつくづくそう思う。ジャズピアニストの誰もが、ソロピアノを得意としている訳ではない。むろんライブなどで趣向を凝らし、1〜2曲ソロの場合もあるが、アルバムまるごとピアノソロで吹き込む人は少ない。
そんな、モンクのソロアルバムのなかで、このアルバムはヴォーグ盤(1954年)に次ぐアルバムだ。レーベルはリヴァーサイド。だからプロデュースは、オリン・キープ・ニューズ。油井正一氏のライナーノーツに、キープ・ニューズのソロピアノへの意向が述べられている。「ニューオリンズのマーチ・バンドからはじまったジャズの編成にピアノはなかった。一方ラグタイムにはじまるピアノは、ソロ楽器としての伝統を守り続け、バンド編成に加えられたあとも、ソロイストとしての誇りを持ち続けた。・・・(中略)・・・もしそのようなピアニストを現代に求めるとしたらセロニアス・モンクを措いて他になかろう。(同LPライナーノーツより引用)」
それにしても、モンクのピアノソロは、静かに聴ける。詩情豊かだ。音と音との「間」、ピアノでしか表現できない世界だ。真剣に聴くのもよし、環境音楽として気軽にBGMで聴くのもよし、どんな聴き方でも自在にできる。昔はモンクの音楽は難解だと思ったが、今ではうそのようだ。ごくごく自然に打ち解けて聴けるから不思議だ。一人でモンクを聴いていて、すうーっと、入ってくる。なお、このアルバムのB面の最後の曲、MONK’S MOODには、コルトレーンが参加している。これがまた素晴らしい。
ところで、モンクのアルバムは、どうしてもプレーヤーのカートリッジを取り替えて聴きたくなる。オーディオ・テクニカのMC型AT-F7。比較的新しいカートリッジで現行品だと思ったら、現在は生産中止。





