不滅のジャズ名曲ーその1ー「ジャンゴ(Django)」
ベルギー生まれのジプシーギタリスト「ジャンゴ・ラインハルト」に捧げた、今はなきMJQのジョン・ルイスが作曲した屈指の名曲。
実は、うちのチョコラブにつけた名前が「ジャンゴ」です。男の子なのでみんなからジャンゴ君と呼ばれています。散歩の途中に、「お名前は?」と聞かれ、「ジャンゴです」と答えると、大半の方は不思議そうに「もういちどお名前は?」と聞かれます。「ジャンゴ」というのは独特の響きを持ち、わかりづらく不思議な名前に聞こえるようです。でも、一度覚えてもらうと、ほとんどの人はいつまでも忘れず覚えていてくれます。
「ジャンゴというお名前は、どういう意味なのですか?」とよく聞かれます。そのたびに、「ジャズギタリストでジャンゴ・ラインハルトという人がいて、そこから名前をつけました。」と説明します。そこで、「あ、そうですか」といって、会話が終わる場合が多いのですが、なかには、興味を持っていただき、続いて質問がきます。「ジャズがお好きなんですね。ジャンゴという人はどんな人ですか?」と。「はい。ジャンゴ・ラインハルトという人は、ずっと昔の戦前にベルギーで生まれ、フランスで活躍した人で、今はもうおられません」。「私もジャズに興味があるのですが…」と言われると、次第にジャズの話に入っていきます。
●「作曲者は、ジョン・ルイスで、MJQのリーダーです。彼が、1950年代の初めに作曲し、その曲を含む「ジャンゴ」というタイトルのアルバムを作りました。すばらしい名曲です。」
◇「ああ、そうですか。ジョン・ルイスという人もやっぱりギター奏者ですか?」
●「いや、ジョン・ルイスは、ピアニストです。ジャズをあまり聴かない人にも、彼の演奏はきっと気に入られるでしょう。クラシック畑の人もファンが多いです。」
・・・・という風に会話が続くのですが、その頃には、当の本人であるチョコラブのジャンゴが、そろそろ退屈し、そわそわしだします。
◇◇◇
1955年作曲の「ジャンゴ」は、ジャズ史上屈指の名曲だけあって、MJQもその後、さまざまなアルバムでこの曲を取り上げている。例えば、59年の「ピラミッド」、60年の「ヨーロピアン・コンサート」、74年の「ラスト・コンサート」などにも収録されている。また、ほとんどのライブで、この曲は演奏されてきた。静かで哀愁の漂うスローな導入部が終わると、中間部はうってかわって、アップテンポで、ブルース・フィーリングにあふれるミルト・ジャクソンが活躍する。エンディングは、再び前半の静かな曲に戻る。この前後半と中間部の対比がすばらしい。導入部から中間部に入った瞬間、これまで押さえていたミルト・ジャクソンが一気に厚くなるところは、何度聴いても新鮮だ。
「ジャンゴ」は、やはり初録音のプレスティッジ版から聴くべし!
●DATA
曲名:Django(1955)
作曲:John Lewis
ジャンゴ:MJQ
