ラブラドールが聴いた今日のジャズ-第16回- The Music of Duke Ellington CBS/SONY 20AP 1847

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戦前のデューク・エリントン名曲集。野口久光氏の解説によると、このアルバムは、米国CBSが1950年代に《Great Jazz Composers Series》として、ジョージ・アヴァキャンが選曲、編集したデューク・エリントン自作自演集。録音が1928年から1949年までと表記されており、大半が戦前の録音。A面、B面を通して、名作、名演揃いだ。

戦前の録音だから、SPレコードの時代の吹き込みで、およそ3分程度に収まるように演奏されている。久々にこのアルバムを聴いて、改めてエリントン・ミュージックの楽しさを味わった。ムード・インディゴ、ソフィスティケイテッド・レイディ、ソリテュード、イン・ナ・センチメンタルムード、キャラバン、など、いずれもおなじみのナンバーだ。

もし、エリントンのアルバムで一枚選ぶなら、このLPをぜひお薦めしたい。CD化されているかどうかは確認していないが、おそらくリリースされていると思う。世の中には、ベストアルバムと言われる、ダイジェスト版は山ほどあるが、このアルバムは、さすが、ジョージ・アヴァキャンが選曲しただけあって、通俗的なベスト盤を超えているように思う。選曲と組み合わせが実に素晴らしい。

エリントン音楽のもつ、独創性と、いつの時代にも色あせないクラシックとしての普遍性。ジャズではあるけれど、ジャズを超越している。毎日でも聴きたくなるアルバムだ。