第65回 不滅のジャズ名曲-その65-パーカーズ・ムード(Parker’s Mood)

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Parker’s Mood : Roy Hargrove

チャーリー・パーカーの作曲した代表曲と言えば、Billie’s Bounce(1945)、Yardbird Suite(1946)、Now’s the Time(1945)などがあげられるが、それらとともに有名な曲が、Parker’s Mood(1948)だ。この、Parker’s Moodをタイトルにしたアルバムは、最近では矢野沙織などが2005年にリリースしている。今回採り上げるアルバムも、同じParker’s Moodというタイトルで、全12曲すべてパーカーにちなんだ曲目だ。

このアルバムは、Verveから1995年にリリースされたもので、パーソネルは、Roy Hargrove (trumpet, flugelhorn), Christian McBride (bass)、Stephen Scott (piano)という超強力メンバーである。ここでは、サックス奏者ではなく、トランペット奏者である点が大変興味深い。

さて、ロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)であるが、1990年にウィントン・マルサリスに見出されデビュー。現在、若手ジャズ・トランペッターのトップランナーともいえる存在だ。そこに、今回のアルバムでは、ベースのクリスチャン・マクブライド(Christian McBride)、それにピアノのステファン・スコット(Stephen Scott)という若手強力メンバーが加わり、曲ごとに、トリオ、デュオ、ソロというように編成を変えて演奏している。例えば、Red Crossは、マクブライドのベースソロ、Chasin’ the Birdは、トランペットとベースのデュオ、Dewey Squareでは、トランペットソロ(これがすばらしい)、Lauraはトリオでのバラード演奏。いずれにしても、このアルバムは、どの曲もすばらしく、全曲文句なしに無条件で楽しめる。パーカー・ファンやビ・バップの好きな人たちだけでなく、若い世代の人たちにも広くおすすめしたいアルバムで、永久保存版ともいえる貴重なアルバムだ。(Django)

第65回 不滅のジャズ名曲-その65-パーカーズ・ムード(Parker’s Mood)” への2件のフィードバック

  1. ロイ・ハーグローブといえば、Familyというアルバムがとても好きでした。マクブライド氏もスコット氏も参加していましたね。伝統的な演奏を重んじつつも、現代的な表現の印象がありました。オスカー・ピーターソンとも共演してましたね。かなり好きなトランペッターの一人です。

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  2. 早速コメントありがとうございます。
    Roy HargroveのFamilyというアルバムもいいですね。
    そのなかの収録曲Polka Dots and Moonbeams、そのうちBlogに掲載したいと思っています。
    また、よろしく。

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